9日の福岡ソフトバンク戦で先発に復帰し、7回1失点と好投した有原
■北海道日本ハム 10-1 福岡ソフトバンク(9日・東京ドーム)
勝負の後半戦に向けて、キーマンとなる男が復活を遂げた。9日、東京ドームで行われた福岡ソフトバンク戦で今季5勝目をマークした、北海道日本ハムの有原航平投手である。5月27日の埼玉西武戦以来となる先発登板で、7回5安打1失点と好投。5月12日以来の白星をあげた。
7回で、球数はわずか85球という少なさ。テンポよく、かつどんどんストライクゾーンに投げ込み、福岡ソフトバンク打線をねじ伏せた。7回に内川にソロ本塁打を許したが、失点はこれだけ。安定感溢れる投球を見せ、右腕は「前半戦はチームに迷惑をかけたので、後半戦は勝っていけるように頑張りたい」と語っていた。
今春のキャンプで右肩の炎症を訴えて出遅れた有原。4月14日のオリックス戦で今季初先発したが、その後も不振に喘いだ。8試合で4勝1敗と白星こそ挙げても、防御率は6.38。本来の姿ではないことは明らかだった。5月29日にファーム降格。6月12日の昇格後は中継ぎ、抑えに配置転換された。
リリーフで4試合に登板し、2セーブ1ホールドをマークした有原。吉井理人投手コーチは、リリーフ登板を経て掴んだ“ある変化”が、この福岡ソフトバンク戦の好投に結びついたと指摘した。吉井コーチが評価したのは、有原の「力感」だった。
「初回からリラックスして投げていたように見えました。リリーフの経験かなと。投手にとって、力を入れても何の得にもならないことが分かったんでしょうね」。2015年に福岡ソフトバンクで、2016年には籍を移した北海道日本ハムで、2年連続で日本一球団の投手コーチを任されていた吉井コーチは、有原の力強さ、ではなく、真逆の力感の無さを感じたという。
吉井コーチによれば、必要以上に力を込めることは、投手によっては“力み”に繋がるため、避けなければいけないことなのだという。同コーチは「栗山監督は力を入れてガッといってもらいたかったみたいだけど、本人は逆のことを感じたみたいですね。投手は力を入れても、何にもならないので。その感覚を掴んだのかもしれないですね」とし、子供たちを教える指導者たちにも知っておいてほしいことだとも語っていた。
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