レーザービーム、ダイビングキャッチ、内野の華麗な連携。選手たちが好守を見せた際には、両チームのファンによる拍手で球場が包まれる。
思わず見とれてしまうその瞬間は、今シーズンも数多く生まれた。今回は、動画「守備でチームを支える超好守まとめ Supported by 三和シヤッター」から、印象的なシーンをピックアップして紹介しよう。
幾度となくチームを救った万波中正のレーザービーム
7月13日、北海道日本ハム対東北楽天の第15回戦。2対2で迎えた7回表、先発の加藤貴之投手は、村林一輝選手の安打と盗塁で2死2塁のピンチを背負うと、小深田大翔選手の打球は一二塁間を破り、2塁走者は一気に本塁を狙う。
この打球を右翼手・万波中正選手が前進しながら捕球すると、すかさずバックホーム。言わずと知れた強肩から放たれた送球は、ノーバウンドで捕手・郡司裕也選手のミットに収まり、本塁でタッチアウトに。送球の強さもさることながら、捕手を一歩も動かさない正確さでリードを渡さなかった。
圧倒的な守備範囲 “残念そこは辰己”
7月11日、北海道日本ハムと東北楽天の第13回戦。同カード初戦でも外野手のファインプレーが光った。0対0の1回裏、先発の田中将大投手は安打と犠打などで2死3塁と、一打先制のピンチを背負う。
ここで清宮幸太郎選手が外角の直球を打ち損じ、ふらふらと弱い打球が上がった。内外野の間に落ちる不運な安打で先制を許したかと思われたが、中堅手・辰己涼介選手が快速を飛ばしてスライディングキャッチ。圧倒的な守備範囲で得点を阻止し、試合は3対2で東北楽天が勝利した。
鉄壁の二遊間 “とのげん” の華麗なプレー
まずは8月1日、埼玉西武と福岡ソフトバンクの第14回戦。先発・高橋光成投手は、先頭にストレートの四球を許す。続く中村晃選手が打ち返した打球はセンター前へ抜けるかと思われたが、二塁手・外崎修汰選手がスライディングキャッチ。体全体を使ってグラブトスをすると、遊撃手・源田壮亮選手も素早く反応し、二塁をアウトにした。
続いて6月25日、東北楽天と埼玉西武の第12回戦。5対0の5回裏、1死2塁で小郷裕哉選手が放った打球はボテボテのショートゴロに。二塁でのアウトは難しいかと思われたが、遊撃手・源田選手が前進して流れるようなグラブトスを披露。思わず声を上げてしまう華麗なプレーは必見だ。
キャプテン・中村奨吾のダイビングキャッチ
千葉ロッテからは、中村奨吾選手のダイビングキャッチを2つピックアップ。まずは4月5日、北海道日本ハムとの第2回戦。1回表、先頭の五十幡亮汰選手がフルカウントからの8球目を引っ張った。一二塁間を抜けそうな強い打球を、二塁手・中村選手がダイビングキャッチ。
6月1日の巨人第3回戦では、1対3で迎えた8回表に門脇誠選手が放った打球をダイビングキャッチ。いずれも打者は快速の選手だったが、すばやく立ち上がり、一塁でアウトにした。
2年連続ベストナイン&ゴールデングラブ賞の宗佑磨
2021年、2022年と2年連続で三塁手のベストナイン&ゴールデングラブ賞を受賞した宗佑磨選手。今シーズンも三塁手として存在感を示している。5月2日、福岡ソフトバンク対オリックスの第4回戦では、三塁線を破りそうな打球にダイビングキャッチ。すぐさま送球し、打者走者をアウトにした。
8月19日、オリックス対北海道日本ハムの第18回戦では、頭上を超えそうな打球をジャンピングキャッチ。高い身体能力を生かしたアグレッシブなプレーで観客を魅了している。
超レアなライトゴロも。柳田悠岐のファインプレー
8月4日、北海道日本ハムと福岡ソフトバンクの第15回戦。7回裏に同点とされ、なおも1死1、2塁のピンチ。ここで清宮幸太郎選手のライト前に落ちそうな打球を、右翼手・柳田悠岐選手が追い付いて捕球。一塁走者が飛び出しており、併殺で切り抜けた。
8月12日、福岡ソフトバンクと北海道日本ハムの第19回戦、5回表1死1、3塁の場面では、ふらふらと上がった打球をショートバウンドで処理すると、すかさず二塁へ送球。間一髪で1塁走者をアウトにし、ライトゴロが記録された。
これぞ “プロ” な好守の数々。ポストシーズンでも勝敗を左右するプレーが生まれるか
レギュラーシーズンはもちろん、ポストシーズンでも好守が勝敗を左右するケースは少なくない。2018年の日本シリーズでは、甲斐拓也選手がMVPに輝いたが、打撃成績は14打数2安打0打点、打率.143。シリーズ新記録となる6連続盗塁刺を記録した “守備” を評価されての受賞だった。
1勝1敗が重くのしかかる短期決戦。独特の緊張感が漂う球場でのファインプレーに期待したい。
文・東海林諒平
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