「怖かったんです」勇気を得た軟式日本一 新人で開幕ローテ…制球養った「最高の練習」

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北海道日本ハム・金村尚真※写真提供:Full-Count(写真:羽鳥慶太)
北海道日本ハム・金村尚真※写真提供:Full-Count(写真:羽鳥慶太)

北海道日本ハムの金村尚真、沖縄・豊見城中では日本一に輝いた実績

 今季北海道日本ハムにドラフト2位で入団した金村尚真投手は開幕ローテーション入りし、4月9日のオリックス戦ではプロ初勝利も挙げている。少年時代は地元・沖縄で中学の軟式野球部でプレーし、3年時には日本一。その後U-15日本代表にも選ばれた実績を持つ。どんな野球少年だったのだろうか。

「しょうもない答えかもしれませんけど、(硬式は)怖かったんですよね。やっぱり。怪我も怖いし、ボールが当たるのも怖かったんです」

 金村は、豊見城中の野球部でのプレーを選んだ理由をこう説明する。そこで最後の夏は県大会を勝ち上がり、全国へと進んだ。それまでは、自分たちのレベルを測る物差しがせいぜい県内に限られており「チームが強いと思ってなくて……」と振り返る。

 大会は横浜スタジアムで行われ、初戦は高知中と対戦。「めちゃ強いと聞いていたので、初戦負けかなと思ったら2対0で勝ったんです。意外といけるなと思いました」。自分たちの力を知り、日本一まで上り詰めたこの大会が中学一番の思い出だという。「沖縄にいたら、プロ野球の公式戦で使う球場で試合なんてできないじゃないですか。こういうところでやってみたいなと思ったのが、プロを目指す理由にはなりましたね」。

 高校は地元を離れ、岡山学芸館へと進んだ。軟式育ちで良かったと思うことは「怪我がなかったこと」に尽きるという。「硬式は高校に上がってからやっていけばいいのかなと思います。時間はかかるかもしれませんが、慣れれば自然にステップを登っていけると思います」。

1年目から開幕ローテーション入り…精密コントロール養った練習法

 金村は最速150キロの直球に加え、多彩な球種を制球良く決めアウトを重ねていく。その感覚を養っている練習がある。「とにかくキャッチボールが好きなんです。しっかりスピンのかかったボールが、相手の胸元にパーンと収まった時が気持ちいいんですよね。全ての基本だと思います」。少年少女にも、しっかり意識しながら投げることを勧めたいという。

 小学校3年で少年野球を始めた。父も祖父も野球をやっており、自然の流れだったという、「もっと小さい頃からやりたいと言っていたんですけど、チームには3年生にならないと入れなかった。だからそれまではずっとひとりで壁当てをしていましたね」。それこそ幼稚園の頃から、ずっと続けた日課だ。

「単純かもしれませんが、投げる感覚を養うには最高の練習だと思いますよ」

 プロ初勝利のあとは肩を痛め、7月になって二軍で実戦復帰を果たした。「怪我しても投げたいという気持ちが強くて……。焦りもありましたけど、こういう時期を大切にしたい。次は怪我をしないように、やるべきことをやってから1軍に戻りたいです」。幼いころからの感覚も生かしながら、プロとして歩んでいく。

(羽鳥慶太 / Keita Hatori)

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