大物スラッガーの打撃練習を見学し…
6月29日にロッテ浦和球場で行われた四国IL選抜戦で、育成選手の和田康士朗選手がフルスイングで逆方向へ放った打球は、レフトフェンスを越える先頭打者本塁打となった。
四国IL選抜・秀伍投手が投じた真ん中低めのボールを本塁打にした和田選手は「レフトフライかなと思いましたが、あれは風なので…」と謙遜したが、「逆(方向)に打てたのは自信になりましたね」と手応えをつかんだ様子。
この一発の裏に、ある大物選手の打撃が関係している。6月12日の横浜DeNA戦(ZOZOマリン)の一軍の試合前練習。この日は二軍戦もZOZOマリンで試合を行っていたということもあり、球界を代表する左のスラッガー・筒香嘉智選手(横浜DeNA)の打撃練習を見学する機会があった。
そこで和田選手は「極端にいえば打撃練習で、1球も引っ張らなくてもいいとおっしゃっていました」と筒香選手から“逆方向"への意識について学んだという。
「筒香さんの話を聞いて、より(逆方向に)強く意識したというか、最初は逆方向へ打てないけど積み重ねで打てるようになると思うので、崩さないで練習していってほしいと言われました」。
和田選手は筒香選手から学んだことをしっかりと練習で実践し、ロッテ浦和球場で行われる試合前のフリー打撃もセンターから左への打球が多い。和田選手だけでなく、香月一也選手、安田尚憲選手といった左の打者も、試合前のフリー打撃で反対方向への打球が目立つ。
「練習の時は逆方向を意識しているので、アウトコースの球をへっぴり腰にならないようにスイングすることを意識しています。そういうことを確認しながら(29日の試合前打撃)練習をしていました」。
逆方向への意識をしながらも、持ち味であるフルスイングも忘れない。7月2日時点で二軍の公式戦では52打席立っているが、三振数は20。それでも、糸井嘉男選手、筒香選手らを育て上げた大村巌打撃コーチからは「三振はいくらしてもいいから、自分のスイングだけは崩さないように」とアドバイスを受けている。
フルスイングが持ち味の和田選手は、現在育成選手。支配下選手登録期限となる7月31日まで1カ月を切った。「期限までにできることをやっていきたいと思います」と和田選手。“逆方向"、“フルスイング"でアピールし、反対方向への重要性を教えてくれた筒香選手に良い報告を届けたいところだ。
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