巨人・山口鉄が持つ日本記録に並ぶ
北海道日本ハムの宮西尚生投手が30日、本拠地オリックス戦で今季16ホールド目を挙げ、通算273ホールドで巨人・山口鉄也投手が持つ日本記録に並んだ。さらに、この試合で通算600試合登板も達成した。チームは5‐2で勝利し、宮西の記録達成に花を添えた。
節目の記録に王手をかけた宮西の出番は7回。無死一塁から先発・高梨の後を受けマウンドに上がると、代打・伏見を中飛球、続く武田を三ゴロに抑え無失点に抑え役目を果たした。
入団1年目から中継ぎ一筋でフル回転してきた左腕の美学は、マウンドで目立たないこと。「リリーフが目立つのはピンチになったり、打たれたりする時。だから目立っちゃダメ。目立たないのが一番すごいリリーフだと思っている」。できるだけ簡単に相手を料理して、次の投手へ静かに引き継ぐ。そうやって、273ものホールドを積み重ねてきた。
マウンド上では地味でも「表彰や記録の部分では目立っていい」と高い誇りを持っている。その言葉の裏には、リリーフの評価をもっと高めたいという思いがある。「リリーフのイメージとか評価って地味。記録や表彰で目立つことで、リリーフを目指すピッチャーが(プロに)入ってきてほしいと思う。これだけ分業制になっているんだから」と熱っぽく語る。
宮西自身、プロ入り当初からホールド数を目標にしていたわけではない。「記録や表彰ができたのも最近なので。僕も岩瀬さんや山口さんが記録をつくってきたので、それが目標になった。それまで中継ぎの目標って、登板数くらいしかなかったから。僕なんか能力的には低いけれど、若い選手には『嬉しいことが待っているよ』と言えるものをつくりたい。だから、一つでも多く目指していきたい」。視界に捉えるのは日本記録の先にある300ホールド。球界を代表するリリーフとして先頭を走っていく。
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