移籍後、即“バファローズ流”の洗礼。影武者コンビはどう結成されたのか? 担当者に聞く大爆笑ポスターの裏側

パ・リーグ インサイト

2023.6.24(土) 13:56

廣岡大志選手と松井雅人スコアラー (C)ORIX Buffaloes
廣岡大志選手と松井雅人スコアラー (C)ORIX Buffaloes

 ビジュアルにグッズと話題尽くしのオリ姫デーからわずか1週間。オリックス・バファローズがさらなる衝撃、いや笑撃を与えた。毎年恒例の夏ポスターで選手たちが芸人に“なりきり”出演。アイドルから芸人の振り幅にファンも意表を突かれたのではないか。この反響は球団にとって予想通り? それとも想定以上? 事業企画部宣伝グループ後藤俊一さんに尋ねた。

夏ポスター (C)ORIX Buffaloes
夏ポスター (C)ORIX Buffaloes

◇ ◇ ◇

――これまでの夏ポスターは、カラフルでキュート・ポップ。直前のオリ姫デーの印象も含めて今年のポスターはギャップがあると話題になりました。ズバリ、今年の夏ポスターの狙いは?

「2019年から続く夏の恒例ポスターのテーマを検討する時に、芸能界やアイドルをはじめ、バファローズでも“ラオ福(杉本&福田)”“みやくれ(宮城&紅林)”など、『コンビ推し』の声がいろいろと聞かれるようになってきたので、コンビにこだわった括りにしたいと考えました。そこで、“コンビビジュアル=お笑い賞レースのビジュアル”がアイデアとしてつながりました。賞レースに挑む芸人さんたちもめちゃくちゃカッコイイので、そうしたイメージを形にしたいと思いました」

――コンビ名とキャッチコピーの言葉選びが上手く、それが話題となった大きな要因だと思いますが、後藤さんたち宣伝グループのメンバー以外にどういう方々が関わっていたのでしょうか。

「関係性や意味合いを重視してコンビを決定し、そのテーマに合わせたネーミングを、デザイン会社のクリエーターさんと協議しながら決めていきました。それからお笑いコンビらしいネーミング。可能な限り本物の漫才師さんや賞レースビジュアルに近づけられるようこだわりました」

――球団からの正式発表前にSNSでポスターのビジュアルが話題になりました。これは狙い? それとも誤算?

「半々です。いつもならSNSを先行させますが、試合のない交流戦予備期間でSNS展開を予定していましたので、ポスターの掲出が先行となりました。それを見た(見つけた)ファンの方がどのような反応をしていただけるのかも楽しみにしていました」

――ファンの方々が妄想投稿で大変盛り上がっており、お笑い・演芸文化の関西ならではの拡大の仕方だと思いました。ここまでの反響は想定されていましたか?

「構想時点とコンビやネーミングを決めていく準備時点で、それなりの手応えを感じていましたが、実際に選手にご協力いただいた撮影を経て、さらにそれが高まりました。ただ、反響については想像以上です」

撮影中もノリノリだったというワゲスパック投手と黒木優太投手の「ジョニスパック」 (C)ORIX Buffaloes
撮影中もノリノリだったというワゲスパック投手と黒木優太投手の「ジョニスパック」 (C)ORIX Buffaloes

――グッズ展開についても期待の声は大きいです。

「ポスター、フェイスタオル、キーホルダー、クリアファイル、缶バッジ、ステッカーなどを予定しております」

――撮影中、印象に残ったコンビは。

「急遽撮影が決定した廣岡大志選手と松井雅人スコアラーです。撮影のタイミングが廣岡選手のトレードでの加入直後でした。地元・大阪に帰ってきてくれましたし、早速一軍で活躍し、ファンの皆さまからの人気も高かったので、急ぎで“相方”を検討しました。

そこで、球団SNSで顔が似ていると評判の松井雅人スコアラーが最適だと考え、チームとご本人に打診しました。松井スコアラーも昨年まで現役で人気選手でしたので、撮影の了承をいただけたのは本当にありがたかったです。こうして裏方になられてからも球団のPRやファンサービスをご理解いただき協力してくださった松井スコアラーとチームには本当に感謝しています」

――選手もチームスタッフも、こういった企画に協力的ですね。

「本当にバファローズの選手たちは何事にも協力的です。これまでもさまざまな撮影や収録を行ってきたので、理解力も抜群で、こちらの要望には瞬時に応えてくれます。まさにサービス精神のかたまりです。野球のプレーはもちろんですが、こうした部分も“プロフェッショナル”を感じます。森友哉選手や廣岡選手は新加入なのでやや驚いた様子もありましたが、やはり大阪出身の関西人なので、あっさりと受け入れていただき見事に表現していただけました」

◇ ◇  ◇

 選手たちが協力的であること、楽しんでいることは、選手自身のInstagramの拡散からもうかがえる。だが、企画に説得力や“おもろさ”がなければ選手たちもついていけないだろう。もはやオリックスのポスターのクリエイティブは、オリックスの文化と言っても過言ではない。どんどん期待値は高くなると思うが、こうした球団のチャレンジにこそ“Buffa Yell(バファエール)”を送りたくなるのだ。

文・海老原 悠

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