平石監督代行で2連勝、新生・楽天の攻撃の形とは…「あれはもう最高の攻撃」

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2018.6.20(水) 15:00

楽天・平石洋介監督代行【写真:荒川祐史】
楽天・平石洋介監督代行【写真:荒川祐史】

横浜DeNA戦で見せた足を絡めた初回の攻撃

8回だった。茂木が膝元の球をフルスイングする。逆方向への打球は横浜の夜空に舞い上がり、追い風に乗ってフェンスを越えた。

3点を加えて7-1。勝利をほぼ決する一打に、レフトスタンドの楽天ファンがこの日最高の盛り上がりを見せた。残り2イニングを福山とハーマンが難なく抑え、平石監督代行が就任から2試合連続の勝利を挙げた。

初回、楽天はスピードを生かし攻めた。田中がショートへの緩いゴロを内野安打にし、さらに二盗を決める。茂木が引っ張ってセカンドゴロを打つと、その間に三進。続く島内のやや大きなバウンドのセカンドゴロで田中は迷いなくホームを狙う。タッチをかわして生還し楽天が先制した。

3回も再び田中の内野安打、相手の失策と茂木の進塁打で2死三塁の状況をつくると、島内の左中間を破る二塁打で追加点が生まれた。島内は続く今江の左前打でホームに還ってくる好走塁も。6回にも犠打を挟みシングルヒット3本を重ねて4点目を奪うなど、つなぐ攻撃を繰り返し、鮮やかに得点を重ねていった。

それだけでは終わらず、8回には茂木がダメ押しの一発。試合を決める長打を打つポテンシャルを持った遊撃手がいるという、楽天にとっての大きな強みも印象づけた。

先発に助っ人の名前なしも配慮欠かさず

今月5日の巨人戦でプロ初勝利を挙げた先発の古川は制球に苦しむ場面もあったが、球の力強さと比較的精度が保たれた変化球を使って三振やフライアウトを稼ぎ、6回を1失点に抑えて試合をつくった。これで初勝利から3連勝。交流戦でチームが挙げた6勝(12敗)のうちの3勝が古川の挙げたものとなった。

試合後、平石監督代行は「初回の点の取り方なんかね。田中が出て走って、茂木が進塁打を打って。島内のゴロでホームに還ってくる。あれはもう最高の攻撃です」と足を生かした初回の攻撃を称えるとともに、盗塁に関しては「いつでもいけ」と指示を出していたと明かした。

監督代行として初勝利を挙げた前の試合を概ね踏襲したオーダーについては「今はこれが一番、僕と栗原健太(打撃コーチ)の中でいいんじゃないかっていう話し合いで。落ち着くところは落ち着きたいと。ずっといくとは限らないですけれどね」と説明した。

先発メンバーに外国人選手の名前はなし。「今日は正直迷ったんですよ、アマダーをファーストで使うか。ただ銀次はここのところ練習でも試合でもいいバッティングをしていて、藤田の状態も上がってきている。それとアマダーの守備の負担を考えて、代打に備えてもらおうかと」と話し、今月1軍復帰を果たしてから21打席で5安打、4四球、3本塁打でOPS1.252を記録しながらスタメンから外れたアマダーへの配慮も欠かさなかった。

「ここからが大事だと思います。負けて終わるのではなく勝って終われてよかった。田中が打線を引っ張り、先発投手が試合をつくってくれている。後ろもある程度計算できるようになってきている。ちょっとずつ落ち着いてきているのかな。ただまあ、そんなこと言ってられないので、やるしかないですね」。

平石監督代行は「落ち着き」という言葉を度々使った。そこからは、まずはチームの動揺を抑えパニックを脱することに注力したいという思いが感じられた。それはひとまずうまくいっているようだ。

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