昨日の試合では投打において強さを見せつけ、北海道日本ハムとのカード勝ち越しを決めた首位・楽天。Koboパーク宮城で行われる今日の試合は「BLACK EAGLES DAY」と題し、球団創設以来初めて黒を基調としたユニホームを着用して戦う。黒は古来より強さ、力の象徴であり、袖に鷲のワッペンを付けたユニホームには、力強いイーグルスが勝利を掴み取ることへの願いが込められている。

その「BLACK EAGLES DAY」の初戦となる先発マウンドに上がったのは、前回の試合で、見事な移籍後初勝利を挙げた岸投手。今日が生まれ故郷である宮城県での移籍後初登板となる。この記念すべき日に2勝目を挙げ、チームを取り巻く良い流れを継続させたい。対する北海道日本ハムの先発はメンドーサ投手。ここまでの成績は1勝1敗ながらも防御率1.59と頼もしい。首位を相手に一矢を報い、連敗を喫しているチームの雰囲気を変えたいところだ。

岸投手は、初回を危なげなく3者凡退に抑える。2回表にも、北海道日本ハム打線をテンポよく打ち取り、一方のメンドーサ投手も、走者こそ出すものの無失点。両投手、流石の立ち上がりを披露する。

試合が動いたのは4回表。先頭の近藤選手が四球を選んで出塁すると、続くレアード選手が「両先発投手の調子が良いから、なんとか先制してメンディーを楽にしてあげたかった」と語る左翼席への2号2ラン。主軸の一振りで、北海道日本ハムが先制に成功する。

さらに5回表、先頭の大野選手が左中間席ぎりぎりに飛び込む1号ソロ。スコアを3対0とし、北海道日本ハムが一発攻勢で3点のリードを握る。

しかしその裏、先頭の島内選手、7番・岡島選手が連打を放って無死1,2塁とする。その後、8番・藤田選手の併殺打で2死3塁となるも、9番・嶋選手がサードへの内野安打。「サードの位置を見ていけるかなと思いました。岸が頑張っているので何としてでも1点欲しかった」と言う気迫の走塁で1塁に到達すると、3塁走者が生還し、楽天が1点をもぎ取る。

6回裏にも、先頭のウィーラー選手が二塁打で出塁すると、4番・アマダー選手がチェンジアップを捉えて中前へ適時打を放つ。これでスコアは2対3。試合中盤に楽天が1点差に迫る。

北海道日本ハムの1点リードで迎えた9回裏。6回裏の途中から谷元投手、宮西投手、石川直投手と継投し、反撃を食い止めてきた北海道日本ハムは、守護神・増井投手を送り込む。しかし、先頭の藤田選手が初球を捉えて出塁し、1死から1番・茂木選手が四球を選んで、1,2塁とする。そして2死1,2塁から3番・ウィーラー選手が、値千金の適時打を放ち、土壇場で試合を振り出しに戻す。

試合は延長10回に突入。10回表は守護神・松井裕投手が無失点に抑え、迎えた10回裏。1死から6番・島内選手が安打を放ち、続く岡島選手が四球を選んで1,2塁とすると、代打・聖澤選手が外角の直球を打ち返して、右翼への適時打。劇的なサヨナラ打で、楽天が延長戦にもつれる熱戦を制した。

これで楽天は、北海道日本ハムとの今カードで3連勝を決めた。7回表からは、福山投手、高梨投手、菅原投手、森原投手、松井裕投手というフレッシュな継投で無失点。ビハインドの状況が続いたが、1点の追加点すらも与えない救援陣の好投が光り、延長からのサヨナラ勝利を導いたと言えるだろう。先発の岸投手は6回3失点。本拠地での初登板で2勝目とはならなかったものの、チームは「BLACK EAGLES DAY」の名に相応しい強さを見せつけた。