プロ4年目でレギュラーシーズン初救援
北海道日本ハムの有原航平投手が13日の阪神戦(札幌ドーム)で初セーブを挙げた。
プロ4年目でレギュラーシーズン初となるリリーフ登板は、簡単には終わらなかった。3点リードの9回、2死から中谷、鳥谷に連打され、代打の伊藤隼には右翼フェンス直撃の三塁打を許して1点差まで追い上げられた。
それでも最後は原口からフォークで空振り三振を奪って試合終了。思わず安堵の笑みをこぼした有原は「先発と違って、みんながつないで、上沢の勝ちもかかっていたので。勝って良かったなと思いました」。上沢、宮西、石川直、トンキンとつないだタスキを受けて上がったマウンドで1勝の重みを噛み締めた。
中継ぎ登板は15年のクライマックスシリーズで2試合あるだけ。入団以来、先発一筋だったが、今季は右肩痛で出遅れ、初先発となった4月11日オリックス戦で勝利を挙げたものの、7試合で4勝2敗、防御率6.38と精彩を欠き、5月29日に登録抹消されていた。
先発からクローザーへの配置転換は、栗山英樹監督の発案だ。「あれだけのピッチャーが輝かないと優勝しない。そのためには、いろんな手を打ちまくる」と話していた通り、エース候補と期待する有原に飛躍を促すための一手。DeNAとの試合が行われた10日、横浜に有原を呼び寄せ、当面のクローザーへの配置転換を告げていた。
交流戦期間中はクローザーを任せる見込み。この日の試合後に指揮官は「いろんな景色が見えてくれればいい。今日は最初なので、もっともっとすごい球を投げてくれると思っている。これが少しでも航平の野球人生のプラスになってくれたらうれしい」と話した。
一昨年にはシーズン途中に守護神の増井を先発に配置転換してチームを日本一に導いた栗山監督。リリーフ投手陣に疲れが見え始める中、今回の思い切った策が起爆剤となるか。類まれな潜在能力を誇る右腕の起用法が注目される。
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