福岡ソフトバンクは2021年、2022年のドラフトでそれぞれ14人の育成選手を指名。ドミニカ共和国出身の15歳・オスーナ選手と育成契約を結んだことでも話題になった。2023年以降は「四軍制」を敷くことが発表されており、分厚い選手層の中で若鷹たちがしのぎを削ることになる。その中で、新たな“育成の星”となる選手は現れるのか。昨季活躍を見せたホークスの育成選手を振り返っていく。
まずは、今季5年目を迎える重田倫明投手。昨季はキャンプをA組で迎え、オープン戦も経験した。ファームでは主に中継ぎとしてチーム最多となる44試合に登板し、7勝3敗4セーブ、防御率3.10。二軍での実績は育成投手陣の中でも随一の本格派右腕は、今季こそ支配下登録を勝ち取れるか。
2019年の入団から3年間ファーム公式戦での登板が無かった岡本直也投手も、昨季は21試合に登板。34.2イニングを投げ4勝0敗、防御率1.56と抜群の安定感を見せた。重田投手とは対照的な技巧派左腕だが、奪三振率7.53と三振も取れている。今季のキャンプは筑後のC組スタート。アピールを重ねていきたいところだ。
主に先発として活躍したのは、同じく左腕の三浦瑞樹投手。昨季はルーキーながら二軍で11試合に登板し、4勝0敗、防御率2.60の活躍を見せた。174cmとプロ野球選手としては決して大きくはないが、緩急を生かしたピッチングを武器に、手薄な先発左腕陣に割って入りたい。
野手では緒方理貢選手が育成選手としては最多の68試合に出場し、打率.259を記録。17盗塁でウエスタン・リーグの盗塁王に輝いた。7月に行われたフレッシュオールスターでは9番・二塁手でスタメン入りすると、4打数2安打と存在感を発揮。快足を生かすためにも打率と出塁率をさらに上げられるか。
育成14位と、2021年のドラフトで最後に名前を呼ばれたのが仲田慶介選手だ。スイッチヒッターの仲田選手は、公式戦初安打を右打席でのタイムリーで飾ると、左打席でも公式戦初本塁打を記録。36試合に出場して打率.268の結果を残した。守備では外野手登録ながら34試合で二塁手を務め、華麗な守備も見せた。
今季新入団の14人も含めて、まだまだ楽しみな選手が多いホークスの育成選手。支配下への道のりは険しいが、今季メジャーへ渡った千賀滉大投手のような“育成の星”として輝く選手もいる。夢を追って努力する育成選手に、今季も注目してほしい。
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