青山美夏人が野球を始めたきっかけ…「WBCの松坂大輔」
憧れの人から直接指導を受ける“特権”を勝ち取った。埼玉西武の全体会議(スタッフミーティング)が26日、埼玉・所沢市内で開かれ、2月6日から始まる春季キャンプのA班(宮崎・日南市南郷町)とB班(高知・高知市春野町)の振り分けなどを話し合った。ドラフト4位ルーキーの青山美夏人投手(亜大)は、同1位の蛭間拓哉外野手(早大)、同6位の児玉亮涼内野手(大阪ガス)とともに、主力中心のA班スタートが決まった。A班は2月11日から14日までの4日間、OBの松坂大輔氏が臨時投手コーチを務める。
青山は昨年春の東都大学リーグでMVP、最優秀投手賞、最優秀防御率を総なめにした即戦力右腕。順当にキャンプA班スタートを伝えられると、「ここまでは怪我もなく順調ですが、ここからが本当の勝負になってくると思う。やってやるぞという気持ちでいっぱいです」と意気込んだ。
「自分は小学3年の時、2009年の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を見て、野球を始めました。最初のグラブは、ナイキ製の赤い松坂モデルでした」と明かす。その第2回WBCで松坂氏は、第1回に続いて大会MVPを獲得し、ひときわ輝いていた。
松坂氏を輩出した横浜高がある神奈川県の出身でもある青山は、2000年生まれにも関わらず「松坂さんが夏の甲子園決勝でノーヒットノーランを達成した試合(1998年)とか、イチローさんとの初対戦で3三振を奪ったところ(1999年)とか、自分が生まれていない時期のものも含め、映像で繰り返し見てきました」と語るほどの“松坂マニア”だ。キャンプで直接教えを乞えることになり、「1から10まで聞いて、いろんな部分を吸収したい」と興奮気味なのも無理はないだろう。
サインなんてもらえない…「おこがましいです」謙虚な右腕
特に、松坂氏の代名詞と言えば高速スライダーである。「自分は曲がりの大きいスライダーを投げられないので、もし聞けるのであれば1度聞いてみたい」。持ち球のカーブ、ツーシーム、カットボール、スプリットにもう1種類変化球が加われば、青山の投球の幅はぐっと広がるはずだ。
この日は、新人合同自主トレで初めて捕手を座らせ、カーブとツーシームを混じえて41球を投げ込んだ。「(2月6日の)キャンプ初日にブルペンに入るつもりで(肩を)つくっています」と言い切り、松坂氏と向き合う準備は順調に整いつつある。
「ともかく1軍で投げることが大事。任されたところでやる気持ちでいます」と、先発かリリーフかにはこだわらない。またとない機会だけに、キャンプ中には松坂氏から人生最初のグラブへ直筆のサインをもらいたいところだが、「おこがましいです」と及び腰なところがまた健気だ。努力を重ねてプロの投手となり、1年目のキャンプから“1軍スタート”を決めたのだから、それくらいの役得があってもバチは当たらないだろうが……。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)
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