開幕目前!1996年以来の優勝を狙うオリックスの2017年シーズン

パ・リーグ インサイト

オリックスの2017年シーズンは、3月31日に本拠地・京セラドーム大阪で開幕、対戦相手は楽天である。昨季最下位に終わったオリックスの今季のキャッチフレーズは「野球まみれ 一勝懸命2017」。汗にまみれ、泥にまみれ、野球にまみれる。原点に立ち返り、野球に尽くし、野球に捧げ、もっと野球が好きになる。そんなチームの想いを今年は結果で表していくことが目標になる。

二軍の本拠地を神戸から舞洲に移し、新たな練習施設、選手寮で迎える今季。最下位からの巻き返しを狙うオリックスの、今季特に注目すべき選手を挙げていきたい。

まずは、昨季ルーキーながら2桁本塁打を放った吉田正選手だ。昨季の開幕戦では「1番・指名打者」で出場し、マルチ安打を記録。その後6試合連続安打も記録したが、怪我の影響で出場は63試合に留まった。しかし、シーズン終盤に復帰すると中軸に定着し、10本塁打、打率.290というインパクトのある成績を残した。

昨年12月に台湾で行われたアジアウインターベースボールリーグでは首位打者、最多安打、本塁打王、塁打数、打点王の5冠に輝き、他の若手選手を圧倒。2年目の今季は、「全143試合出場」を目標に掲げたが、現在は腰痛で離脱しており、開幕戦の出場は見送られた。昨季、そして昨オフに証明したように、怪我さえしなければ通用する素質があるだけに、万全な状態での活躍を期待したい。

昨季出場機会を大きく増やした選手をもう一人。今季で高卒4年目を迎える若月選手だ。正捕手の伊藤選手、ベテランの山崎勝選手を上回る85試合に出場し、74試合で先発出場を果たした昨季。チームはプロ野球史上初の「シーズン捕逸0」を達成したが、これに対しては「意識していなかった。自信にはなりますが、勝ちにつながっていないので。暴投もなくしたい。次は暴投0を目指したいです」とさらなるレベルアップを誓った。

正捕手の座を確固たるものにしたい若月選手は「今年が勝負の年です。全試合出場。そのために、打撃ならバント、右打ち、進塁打などのチーム打撃を意識したい。守備では盗塁阻止率3割は最低でも超えたい」と意気込む。1歳上の千葉ロッテ・田村選手が昨季、出場数を伸ばして結果を残し、同学年の埼玉西武・森選手が今季正捕手奪取を目標に掲げていることも、若月選手を奮い立たせる要素の一つだろう。今季は、若月選手がチームを引っ張る姿に注目したい。

2014年にドラフト1位で入団、1年目、2年目はともに17試合に出場し、3勝ずつを挙げた山崎福投手。2015年は防御率4.53だったが、昨季は防御率3.67と成長を見せた。前半戦は中継ぎとしての登板が多かったが、8月上旬からは先発として1軍に定着。しかし9月上旬に左肩痛のため出場選手登録を抹消された。

山崎福投手は、プロ3年目となる今季、2桁勝利を目標に掲げている。オリックスの先発3本柱の1人である西投手も、プロ3年目に開花し自身初の2桁勝利を挙げた。決して無理な目標ではく、山崎福選手がシーズンを通して結果を出し続け、先発ローテーションを守ることができれば、自ずとチームの上位進出にも繋がっていくだろう。左の先発投手が少ないチームにとって、多彩な変化球を持つ山崎福投手は大事な戦力である。

そして、チームの浮上には金子千尋投手の3年ぶりとなる2桁勝利が不可欠だ。2度の最多勝、2014年には沢村賞を獲得するなど輝かしい成績の持ち主だが、ここ2年は不完全燃焼。昨季は7勝9敗と、プロ入り12年目で自身初の負け越しを経験。自身も「苦しいシーズンだった」と振り返っている。

金子千尋投手の持ち味は、なんといっても卓越した制球力と七色の変化球だ。どの球種も精度が高いため、何を投じてもカウントがとれ、決め球としても選ぶことができる。今季は不動のエースとして、投手陣を引っ張るべく、春季キャンプでは去年より4日早くブルペン入りし、調整を行った。ここ2年、本来の活躍ができていない絶対的エース・金子千尋投手の復活なくして、チームの上位進出は難しい。屈辱からの復活を、ファンは心待ちにしている。

また、投手の戦力層を厚くするため、昨年のドラフトでは、社会人ナンバー1と評価されていた山岡投手を獲得。オープン戦では安定感のある投球を披露し、福良監督からも評価されている。ドラフト2位の黒木投手や、8位の澤田投手も、1年目とは思えない堂々たるマウンドさばきで結果を残し、開幕一軍の権利を手繰り寄せた。新外国人のコーク投手も、オープン戦で3試合に登板、1勝1敗、18回2/3、14奪三振、防御率0.96と申し分のない成績でアピールした。

オリックスは1996年を最後にリーグ優勝から遠ざかっており、Aクラスに範囲を広げても1997年から1999年、そして2008年と2014年の5回のみとなっている。最下位からの巻き返しを図りたい今季は、キャッチフレーズのように貪欲に勝利を狙って行く姿勢が必要となるだろう。元々実績十分の選手がそろっているだけに、上位に食い込む可能性は十分。今季はオリックスの奮起によってパ・リーグがさらに面白くなることに期待したい。

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