鷹の連敗止めた中村晃と甲斐の“好プレー” 東浜とチームを救った4回の守り

Full-Count 福谷佑介

2022.6.9(木) 08:20

福岡ソフトバンク・中村晃(左)と甲斐拓也※写真提供:Full-Count(写真:藤浦一都)
福岡ソフトバンク・中村晃(左)と甲斐拓也※写真提供:Full-Count(写真:藤浦一都)

4回2死一、二塁で糸原の打球はこの日右翼に入った中村晃の前へ…

■福岡ソフトバンク 1ー0 阪神(交流戦・8日・PayPayドーム)

 福岡ソフトバンクは8日、本拠地・PayPayドームで行われた阪神戦に1-0で辛勝した。4回無死満塁から明石健志内野手の併殺崩れの間に1点を先制。先発の東浜巨投手が6回無失点と好投すると、藤井皓哉投手、又吉克樹投手、リバン・モイネロ投手のリレーでこのリードを最後まで守り抜き、連敗を3で止めた。

 1点が勝負を分けた。4回だった。先頭の牧原大、柳田の連打とグラシアルの死球で無死満塁のチャンスを作った。ここで打席に立ったのは、5番に抜擢された明石だった。阪神先発の西純のボールを打つと、打球は二塁へのゴロ。一塁走者が封殺される間に奪った1点が、最終的に決勝点となった。

 この日はなんといっても投手陣だ。先発の東浜が6回を投げて3安打無失点。先制点を与えることなく、終盤までゼロを並べ、藤本監督も「1番の今日の勝因だと思いますよね。粘り強く投げてくれたなと思います」と称えた。7回は藤井、8回は又吉、9回はモイネロが無失点リレー。3投手ともに走者を背負い、藤井は2死一、二塁、又吉は1死満塁のピンチを招いたものの、なんとか凌ぎ切った。

 投手陣の踏ん張りが光った一戦だが、忘れてはいけないのが、バックの守り。特に4回の守備では“名手”の働きが、その後の先制点につながった。2死一、二塁のピンチを招くと糸原の打球は右前への安打に。右翼で起用されていた中村晃は打球にチャージをかけると、捕球後すばやく本塁へワンバウンドで送球した。

チーム事情で右翼に入った中村晃の好返球「打てなくてもああいうプレーが大きい」

 ボールはやや三塁側に逸れたが、これを甲斐拓也捕手がカバー。送球をミットに収めると、タッチをかいくぐろうとした近本の体に辛うじて触れた。間一髪のところでアウトにし、先制点を奪われる危機をなんとか防いだ。

 今季、中村晃は主に一塁で起用されており、右翼でのスタメンは10試合目。柳田を指名打者に置くための首脳陣の措置だが、普段と異なる役割でもきっちり果たすのが中村晃という男。好返球でチームを救い、指揮官も「ずっとファーストをメインでやってる選手がああいうところでしっかりとプレーしてくれてるのが大きい。打てなくてもああいうプレーが大きい」と称えていた。

 甲斐のキャッチも走者と重なる難しい状況だった。それをキッチリと捕球し、走者の動きを見極めて食らいついてタッチにつなげた。「少しボールは逸れていたんですけど、ランナーが逃げたのを見てタッチしにいってるっていうところが拓也の上手さ。案外、ああいうプレーだと、少し諦めモードで遅くなるんですけどね。あれはナイスプレー」と指揮官も目を細めていた。

 6月に入って7試合中6試合が1桁安打と打線が下降線をたどっている福岡ソフトバンク。「今は我慢の時」と藤本監督も言う。ただ、打てない時でも、勝たなければいけない。投手が踏ん張り、野手は必死に守る。打線の元気がない中での勝ち方を示したこの日の一戦だった。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

記事提供:Full-Count

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Full-Count 福谷佑介

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