大怪我から復帰まで1年 “万感復活打”の韋駄天が語る葛藤の日々「浮き沈みあった」

2022.6.8(水) 12:42 Full-Count
埼玉西武・若林楽人※写真提供:Full-Count(写真:宮脇広久)
埼玉西武・若林楽人※写真提供:Full-Count(写真:宮脇広久)

若林は3三振の後に決勝打「また三振するとみんな思っていたと思う」

■埼玉西武 9ー4 巨人(交流戦・7日・ベルーナドーム)

 埼玉西武は7日、本拠地ベルーナドームで行われた巨人戦に9-4で逆転勝ちし、連敗を5で止めた。「1番・右翼」で出場した2年目の若林楽人外野手が、6回に逆転2点タイムリーを放ち決勝点となった。ルーキーイヤーの昨季は序盤に20盗塁を量産し、タイトル争いで独走していたが、5月30日の阪神戦で守備中に左膝前十字靭帯損傷の大けがを負い、手術を受けて残りのシーズンを棒に振った。長いリハビリと2軍での調整を経て、再びスターダムへの階段を上り始めた。

「あれが若林のいいところ」。辻発彦監督が試合後に笑顔でうなずいた。この日の若林は、巨人先発のアンドリースの前に3打席3三振を喫していた。ところが1点ビハインドの6回2死満塁で迎えた第4打席では、相手投手が3番手の鍬原に代わっていた。初球の外角低めの151キロ速球を迷いなくスイングし、右前へ逆転2点タイムリー。右手の拳を地面へ向かって振り下ろす、迫力満点のガッツポーズを見せた。

「3三振していて、よく最初からああいう風に打てるものだと感心しますよ。ヘッド(松井稼頭央ヘッドコーチ)と、あいつのことだから3三振していても打つんじゃないかと話していたら、いきなり初球を打った。あいつらしいと言えばあいつらしい。とにかくタイミングが合ったら振る、というタイプの打者です」

 辻監督は切り替えの早さ、思い切りの良さを称賛。若林本人は「初球から自分の一番いいスイングをしようと考えていました。また三振するだろうと、みんなが思っていたと思いますが、チームの勝利に貢献することができて本当にうれしい」と頬を紅潮させた。

「100%の状態になるにはあと1年かかる」

 2軍では開幕から打率.300、4本塁打11打点の実績を積んだが、首脳陣は1軍復帰に慎重だった。何よりも故障の再発を恐れた。「自分ではずっといけると思っていたので、気持ちの浮き沈みがありました。それを踏まえて、2軍のスタッフの方々が親身になってくれて、支えていただきました」と振り返る。

 5月31日にようやく1軍初昇格を果たすと、出場した全6試合でヒットを放ち、打率.360(25打数9安打)と打棒が止まらない。この日は、逆転打の直後に今季2盗塁目の二盗も決めた。

 昨季の盗塁王のタイトルは、最終的に同僚の源田ら4人が24盗塁で分け合ったが、5月の時点で20盗塁していた若林が大怪我を負わなければ、確実にモノにしていたはずだ。現状は「(左膝が)100%の状態になるにはあと1年かかる。走れるに越したことはないけれど、今年は成功率を上げたい」とはやる気持ちを抑えている。

 あごひげを蓄え、長髪がヘルメットからはみ出し、ワイルドな印象。「キャラクターは大事だと思います」とあっけらかんと笑う。この日、札幌ドームでノーヒットノーランを達成した横浜DeNA・今永は駒大の5年先輩で、あいさつしたことがある程度だが、「テレビで僕のことをほめていただいたことがあるので、めちゃくちゃ好きです」と茶目っ気たっぷりに話した。復活したスピードスターが、獅子を上位へ押し上げるか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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