【試合戦評】先発・松坂投手を筆頭に、福岡ソフトバンクが無安打無失点リレー。広島との投手戦を制す。

パ・リーグ インサイト

2017.3.25(土) 00:00

3月25日、ヤフオクドームで実施された福岡ソフトバンク対広島のオープン戦。福岡ソフトバンクの先発は、4度目のオープン戦登板となる松坂投手。

これまでの松坂投手は、自らの四球や暴投でピンチを招き、厳しい状況で2番手投手に後を託す場面が目立っていた。被安打自体は少ないなど、打者に力負けするような様子は見られなかったものの、乗り越えるべき課題は山積している。今度こそ、与えられたチャンスで爪痕を残し、層の厚い福岡ソフトバンク投手陣の中でも存在感を示したい。

初回、松坂投手は四球こそ出すものの、無失点に抑える危なげない立ち上がり。2回表には、広島の4番・新井選手、5番・松山選手といった強打者を、球数を費やしながらも連続で打ち取り、6番・エルドレッド選手からは、高めのつり球で空振り三振を奪う。3回表には先頭打者に四球を与えたが後続を抑え、4回表からは3イニングス連続で3者凡退。6回表には変化球中心の組み立てで3者連続三振を奪うなど、圧巻の投球を披露する。

福岡ソフトバンク打線は散発的に安打こそ放つものの、広島の先発・岡田投手に要所を締められ、松坂投手を援護することができない。しかし7回表、無安打投球を続ける松坂投手を守備で後押しするように、三塁手の明石選手、左翼手の中村晃選手、二塁手の本多選手が、気迫のプレーで広島打線の当たりを阻む。試合は投手戦となり、ゲーム終盤まで両チームのスコアボードにはゼロが並んだ。

試合が動いたのは7回裏。千葉ロッテから福岡ソフトバンクに移籍した、先頭のデスパイネ選手が安打で出塁し、代走の福田選手が盗塁を成功させる。後続は連続で三振に倒れるが、2死2塁の場面で代打・川島選手が三遊間を抜ける適時打。ここにきてようやく福岡ソフトバンクが先制点を挙げる。

松坂投手は最終的に、7回を投げて無安打2四球6奪三振無失点という文句のつけようがない結果を残して、マウンドを降りた。これまでの登板で、一番の課題とされてきた制球も終始まとまっており、四死球も大幅に減少。昨季のセ・リーグ覇者で、破壊力のある広島打線を相手に1本の安打も許さず、一度も3塁を踏ませなかった。

8回表は五十嵐投手、最終回はサファテ投手が登板したが、いずれも3者凡退に抑えて福岡ソフトバンクがノーヒットノーランリレーを果たす。7回裏に挙げた1点を、持ち味である投手力と堅守で守りきり、広島との投手戦を制した。

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