2005年に1度だけ対戦も2打数無安打1四球
プロ野球は29日から交流戦がスタートする。パ・リーグは埼玉西武、セ・リーグは広島が首位に立っているが、同一リーグで対戦のない全18試合で、順位が大きく入れ替わる可能性も高い。交流戦でしか見ることができない対戦もファンの楽しみの一つになるだろう。そんな中、オリックスの小谷野栄一はある投手との対戦の実現を心待ちにしていた。
「もう投げるって決まったの? 久しぶりになるね」。小谷野は嬉しそうに語った。オリックスの交流戦初戦の相手は中日。30日に先発が予想されるのは、ここまで2勝3敗、防御率3.08の成績を残している松坂大輔だ。
今季プロ16年目を迎えるベテランは現役選手では数少ない「松坂世代」の一人だ。小学時代は江戸川南リトル、中学時代も江戸川南シニアでチームメートだったのはよく知られた話。シーズン前に松坂の中日入団が決まった際も「素直に嬉しかった。対戦できたとしたら交流戦。お互いレギュラーでいないといけないけど」と、誰よりも喜んでいた。
幼い頃から松坂の背中を追いかけ続けた小谷野はプロで1度だけ対戦している。2005年にわずか3打席だったが無安打、1四球と実力の差を見せつけられた。「あの時は向こうは日本一の投手で、自分は出てきたばかりで力の差を感じた。昔からなんだけど、自分の立ち位置が分かる相手なんだよね。自分の基準になっている」。小谷野は常に先を行く同級生を憧れの眼差しで見てきたという。
幼い頃から隣には常に松坂がいた。元々は投手だった小谷野は松坂の投げる姿を見て「すぐに諦めた(笑)。同じ投手で勝負しても勝てないと思ったから。でも、そのおかげで今があると思う。プロになれたのも松坂がいたから」と感謝を口にしている。
お互いがケガ無く順調にいけば30日には13年ぶりの対戦が実現する。「今だに野球ファンをあれだけ惹きつけられる投手。凄いよね。楽しみだよ」目標、そして、憧れ続けた同級生からの“プロ初ヒット"が生まれるのか、注目だ。
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