田中将大は6回1失点で今季3敗目もここまで防御率1.85
■阪神 1ー0 楽天(交流戦・24日・甲子園)
楽天の田中将大投手が24日、甲子園で行われた阪神戦に先発。6回6安打1失点の力投を見せたが打線の援護なく3敗目を喫した。NPB復帰2年目を迎え、ここまで好投を続ける右腕を現役時代に阪神、東京ヤクルトなど4球団で計21年間捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏が分析した。
敗れはしたが9年ぶりの登板となった甲子園で力投を見せた。初回、先頭の近本にいきなりフェンス直撃の二塁打を浴びると、犠打と四球で1死一、三塁のピンチを背負う。だが、佐藤輝を150キロの直球で二ゴロ併殺に仕留め無失点。4回にも先頭・中野に左翼フェンス直撃の三塁打を許したが、ギアを上げマルテ、佐藤輝、大山を打ち取り気迫のガッツポーズを見せた。
6回2死二塁から大山にスライダーが高めに浮いたところを中前に運ばれ1点を失い、これが決勝点となった。力投も実らず敗戦投手になったが野口氏は「高めには浮きましたが、外角の際どいボール。見逃したらボール球だったかもしれない。田中はそこまで責められない。先発の役目は十分果たしたと言えるでしょう」と評価した。
「昨年と比べても格段に首を振る回数が減っています」
田中将はここまで8試合に登板し4勝3敗、防御率1.85と好成績を残している。150キロを超える力強い直球も戻り、エースとしてチームを支えている。日本球界復帰1年目となった昨季はキャンプが途中参加となり、開幕前には足の怪我で出遅れるなど万全の状態でシーズンに挑むことができなかったが「今年は自分の球を操れている。キャンプからしっかり調整できた。ベテラン炭谷の存在も大きいと思います」と野口氏。
今シーズン初登板となった3月29日のオリックス戦ではルーキー・安田とバッテリーを組んだ。だが、新型コロナに感染し安田が離脱してからは、実績豊富な炭谷がマスクを被っている。
「昨年と比べても格段に首を振る回数が減っています。他の捕手が悪いというわけではないですが、投球のリズムもいい。試合時間に表れない“間合いの長さ”を今年は感じさせない。炭谷のリードに任せている部分もあると思います」
田中将は昨季、好投を続けても打線の援護なく4勝9敗、防御率3.01に終わった。だが、野口氏は「勝敗は打線の兼ね合いもあるので、勝ち星が伸びない可能性もあるが」と前置きしつつ「この投球を続ければ防御率は昨季よりも1点台は低くなると思います。トータルでもいい成績を残せる」と期待を寄せていた。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)
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