最後の阪神・新井選手の2ランは破壊力抜群だったが、すでに勝負は決まっていた。千葉ロッテが阪神に完勝し、オープン戦ながら引き分けを挟んでの6連勝で貯金を2桁に乗せた。敗戦はわずかに1。若手が攻守に存在感を見せ、開幕に向け好調ぶりを見せつけた。
7回2死1,2塁、大嶺翔太内野手が岩崎投手から中前に適時打を放って6点目。オープン戦全14試合に出場し、この日の2安打で打率.370。この日は井上選手、平沢選手と3選手がタイムリーを放つなど、それぞれが役割を果たし、9安打6得点と効果的にスコアを重ねていった。投げては先発のスタンリッジ投手が5回1失点。7回、8回はいずれも得点圏に走者を置いたが、中継ぎ陣の踏ん張りもあって無失点で切り抜けた。
昨年は3位でクライマックスシリーズに進出。伊東監督就任4年間で、3度のAクラス入りを果たしている。何かと「不気味な存在」といえるのが千葉ロッテだ。開幕前の評論家などによる順位予想は決して高くはないのに、序盤は首位争い、そして終盤はクライマックスシリーズ進出争いと粘りを見せている印象が強い。
それを支えている一つが、毎年のように安定感のある中継ぎ陣。今年は抑えだった西野投手が先発へ再転向したが、益田投手を中心に内投手、大谷投手、松永投手と今年も大崩れはなさそう。さらに移籍2年目の田中靖投手、そしてこの日登板した新人の有吉投手、高野投手と楽しみな若手も出てきた。
野手では鈴木選手が遊撃から二塁へコンバートされ、ここまで好調。その定位置を中村選手、平沢選手が争っている状況で、さらに絶好調の大嶺翔選手、井上選手といった楽しみな野手もいる。各所で繰り広げられる競争が、チームにいい影響を与えている。
昨年の主砲・デスパイネ選手が退団し、攻撃力の低下が懸念されたが、新加入のダフィー選手、パラデス選手がともに3割を超える打率を記録中と、頼もしさを発揮している。
当然、シーズンに入ればこのようにはいかないだろうが、それでも期待のできる好成績。残り少ないオープン戦で最終調整し、スタートダッシュを飾りたいところだ。
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