病院の中を移動する際にも、炭谷選手と武隈投手は約1年ぶりに会う子供の名前を口にしていた。5月7日、埼玉西武の2選手が埼玉医科大学総合医療センターを来訪。チームの正捕手を務める炭谷選手も、ブルペン陣でフル回転を続ける武隈投手も、前日に9連戦を終えたばかりで疲労はあったかもしれないが、再会した子供たちの姿をしっかりと覚えているようだった。
昨年に続き、埼玉医科大学総合医療センター内にある「カルガモの家(医療型障がい児障害児入所施設)」を訪ねた炭谷選手と武隈投手は、入所している子供たちが待つフロアへ案内されると、拍手で出迎えられた。2人はおもちゃのバットとボールでトスバッティングを行う。途中、炭谷選手が試合さながらの強いボールを武隈投手へぶつけて笑いを誘うシーンがあったが、わざとではないと主張。あらぬ方向へ打球を飛ばした武隈投手がバットを振ったのは高校の時以来だったという。
その後、炭谷選手と武隈投手はサインと個別への撮影に応じながら、子供たちと握手を交わすなど、交流の時間が持たれた。最後に全体撮影の写真に収まると、「カルガモの家」を跡にして場所移動。小児科病棟へ移り、入院中の子供たちやその家族とのキャッチボールや質問タイムの時間が設けられ、ここでもサイン会と撮影会が実施された。交流後にNICUへ移動すると、穏やかな表情を浮かべながら新生児を抱きかかえている。
今回の訪問は、炭谷選手が2015年から続けている難病と闘う子どもとその家族への支援活動の一環だ。家族をスタジアムへ招待するなど、プロ野球選手だからこそできる社会活動の重要性を認識し、行動へと移している。
「僕らの試合でのプレーや姿勢、活躍する喜び。そういうところを子供たちに見てもらって、元気になってくれればいいと思います。そうした姿に僕たちも元気をもらって、お互いに頑張りたい」(炭谷選手)
昨年に続いて参加した武隈投手は、埼玉医科大学総合医療センターへの訪問がきっかけで意識に違いが芽生えたことを語る。
「自分の考え方ひとつで行動することの大切さが変わってきました。自分でも一歩進んで、こうしたことができるようになりたいと思います」(武隈投手)
リーグ首位を行く埼玉西武の選手たちが見せるプレーだけではなく、グラウンドを離れても社会に貢献しようとする姿勢に注目したい。
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