31イニングぶりの得点に繋がる三塁打を放った野村勇
■福岡ソフトバンク 4ー0 千葉ロッテ(14日・PayPayドーム)
福岡ソフトバンクは14日、本拠地PayPayドームで行われた千葉ロッテ戦に4-0で勝利し、連敗を2で止めた。3試合連続無得点と湿っていた打線が初回に31イニングぶりに得点。このリードをエースの千賀滉大投手ら投手陣が無失点リレーで守り抜いて競り勝った。
31イニングぶりの得点が生まれたのはルーキーの一振りからだった。初回1死から2番に起用された野村勇が三塁打。「真っ直ぐに刺されないように、真っ直ぐを狙って、狙い通りに真っ直ぐがきたので思い切っていきました」。打球は大きな飛球となり、中堅フェンスを直撃した。続く中村晃が右前適時打。ドラフト4位ルーキーが9日の埼玉西武戦以来のホームを踏んだ。
俊足がウリの25歳は8回にも勝負を分ける仕事を果たした。8回先頭で打席に入ると四球で出塁。グラシアルの右前安打がランエンドヒットになり、一気に三塁まで進んだ。牧原大の遊ゴロで一気に本塁を狙うと、ヘッドスライディングで送球よりもわずかに早く生還。相手のフィルダースチョイスを誘い、チームに勝利を決定づける3点目を呼び込んだ。
「思い切って振っていって、ルーキーなので怖いもの知らずでいって、そこが久しぶりの点につながってよかったと思います」と、自らの一打が呼び水になった先制点を振り返った野村勇。足での貢献にも「武器だと思っているんで、どんどん走っていって、盗塁、スライディングだったりで貢献できたらな、と思っています」と胸を張った。
試合前の走塁練習で確認するのはチームメートの打球の質
3月29日の千葉ロッテ戦でも、この日と同じように内野ゴロの間にヘッドスライディングで本塁を陥れていた。足の速さはもちろん、的確な状況判断の良さも好走塁に繋がる。その下支えとなっているのが、日々の練習における取り組みにある。
プロ野球の試合前練習は通常、フリー打撃とティー打撃、守備、バント、そして走塁をローテーションさせる。この走塁練習での取り組みを野村勇は大切にする。まだルーキーということもあり「プロの打球は全然違うので『落ちるだろうな』と思っていた打球が伸びたりする。それを確認しています」という。走塁練習ではスタートなど“走る”練習だけでなく、チームメートが打つ打球の質を確認する時間にもしている。
「たとえば、柳田さんはドライブ系の打球が多いので。その選手はどういう打球が落ちるのか、どういうところに打つことが多いのかを確認しています。打球の性質だったり、ドライブする選手であれば、野手の捕球体制悪くなってタッチアップもいけるな、とかを考えています」
多くの一流選手が口を揃えて言う「準備の大切さ」。ドラ4ルーキーの野村勇にとっては、練習中での“情報収集”も重要な準備の場に。チームにとって大きな武器となっているその機動力は、周到な準備で為せる技なのだろう。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)
記事提供: