「K%」は54.5%、守備から独立した失点率を示す「tRA」はまさかのマイナス
10日に行われたオリックス戦で28年ぶりとなる完全試合を達成した千葉ロッテの佐々木朗希投手。日本新記録の13連続奪三振、日本タイ記録となる1試合19奪三振といった記録づくめの大記録となり、強烈なインパクトと共に歴史に名を残すことになった。
まだプロ3年目、弱冠20歳という若さでありながら、もはや日本球界最高峰の力の持ち主となっている佐々木朗。今季はここまで3試合に登板して2勝0敗、防御率1.57という成績を残しているものの、より詳細なデータを見てみると、佐々木朗の異次元の投球内容が浮かびあがってくる。
セイバーメトリクスの指標などでデータ分析を行う株式会社DELTAのデータを基に見てみると、まず真っ先に目を引くのがとてつもない奪三振率の高さ。ここまで3試合、23投球回を投げて、42奪三振。69個のアウトのうち、約6割を三振で奪っており、対戦打席のうちの三振率を示す「K%」は54.5%になる。
現在、球界No1投手とされるオリックスの山本由伸投手の「K%」は29.5%。福岡ソフトバンクの千賀滉大投手で28.9%となっており、佐々木朗の異質ぶりが良くわかる。それでいて佐々木朗は制球力も高く、与四死球はわずか3。投手の能力の高さを測る指標の1つと知られる「K-BB%」は51.9%。山本は20.5%、千賀は18.1%。20%を超えると優秀とされる指標で50%を超える凄まじい数値となっている。
これ以外にも1イニングに出す走者の数を示し、1を切れば優秀とされる「WHIP」も0.39と傑出した数字に。また、ストライクゾーン内のボールをコンタクトされる割合を示した「Z-Contact%」は70.3%、そしてゾーン外のボールをコンタクトされる割合を示した「O-Contact%」は33.3%となっており、これらも12球団の投手の中で群を抜く数字になっている。
そして、守備から独立した投手の防御率を示す「tRA」は-0.34と、まさかのマイナスに。防御率は1.57ながら、守備から独立した部分で佐々木朗が失った点は無いと言える。今季の山本の「tRA」は1.80、タイトルを総なめにした昨季でさえ1.73だったことを考えると、ここまでの佐々木朗の凄さがデータの面からも分かる。
史上最年少で完全試合を成し遂げた「令和の怪物」。まだ20歳と伸びしろは十二分にある。今季どれほどの成績を残すのか。そしてこの先、どこまで進化していくのか、楽しみだ。
(Full-Count編集部)
記事提供: