史上最多の数字も含む、多くの記録が達成される可能性も
プロ野球の世界においては、毎年さまざまな記録が達成されるもの。来たる2022年シーズンにおいても、まさに前人未到となる記録や、史上数人しか達成者のいない非常に珍しい記録をはじめとする、バラエティ豊かな記録の達成が見られるかもしれない。
今回の記事では、2022年のパ・リーグで達成される可能性がある主な記録を、投手と野手のそれぞれに分けて紹介していく。
各球団を支えるリリーフの重鎮たちが、複数の記録を達成するシーズンに?
まずは、今季中に達成される可能性のある投手記録の一部と、各選手が該当する部門で昨季残した成績を見ていこう。
宮西尚生投手は、史上8人目の通算800試合登板まで残り14試合。今季はプロ入りから15年連続50試合登板というNPB最長タイ記録に挑む宮西投手にとって、この数字は通過点と言えるか。また、前人未到の通算400ホールドにも残り27に迫っており、好調を維持してセットアッパーに返り咲くことができれば、今季中に大台到達の可能性もありそうだ。
また、平野佳寿投手、益田直也投手、増田達至投手という各球団の重鎮3名が、揃って複数の記録を達成するかもしれない。益田投手と平野投手の通算600試合登板は達成が濃厚だが、両投手は史上2名しか達成者のいない、「通算150ホールド&150セーブ」にも迫っている。昨季は延長戦がなかった影響で抑えにホールドがつくケースはほぼなかったが、今季は延長戦が復活するため、同年に二人揃っての偉業が達成される可能性もありうる。
増田投手も不振に陥った昨季からの復調を果たせば、150セーブ、100セーブ、通算500試合登板のいずれも、十分に達成は可能な水準と言えよう。そして、パ・リーグへの移籍初年度となる又吉克樹投手も、通算150ホールドという節目まであとわずか。新天地でセットアッパーの座をつかめば、早い段階での達成も見えてきそうだ。
その一方で、松井裕樹投手の200セーブ、森唯斗投手の150セーブ、リバン・モイネロ投手の150ホールドと、数字的なハードルがやや高い記録も存在。とはいえ、各投手の能力を考えれば、いずれも昨季のように故障などで戦列を離れさえなければ、今季中の達成も十分に可能な水準だろう。
東北楽天の三本柱に加え、2名の大ベテランにも大台到達のチャンスが
先発投手の中では、東北楽天を支える3名の主力投手が、揃って節目の記録に近づいている。岸孝之投手は150勝まで残り9、2000奪三振まで残り122。昨季の数字を考えれば、今季中に達成される可能性は決して低くないだろう。また、則本昂大投手の100勝と1500投球回はいずれも達成まで残りわずかで、シーズン前半での到達も現実的と言えそうだ。
田中将大投手は奇しくも則本投手と同じシーズンにNPB通算1500投球回を達成する可能性が高いが、1500奪三振に関しては昨季以上の数字が求められる。とはいえ、本来の奪三振力を考えれば十二分に達成は可能なだけに、復帰2年目での本領発揮に期待したいところだ。
また、41歳の和田毅投手が150勝まで残り7、39歳の内海哲也投手が2000投球回まで残り5と、大ベテラン2名も節目の記録まであとわずか。今季も一軍で出場機会を確保し、記録の面でもまた一つ、球界に大きな足跡を残してほしいところだ。
文・望月遼太
◆2022年に達成が期待される記録野手編はこちら
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