10試合連続1番でOP戦打率.364、出塁率.462の活躍
■埼玉西武 6ー5 東京ヤクルト(オープン戦・19日・ベルーナドーム)
埼玉西武は3年越しで“ポスト秋山”を固定できるか――。高卒6年目・23歳の鈴木将平外野手が19日、本拠地ベルーナドームで行われた東京ヤクルトとのオープン戦に「1番・左翼」で出場し、4打数2安打2打点と気を吐いた。10試合連続で1番を務め、オープン戦打率.364は規定打席以上では12球団で3位。出塁率.462は楽天・和田に次ぐ同2位で、ブレークの兆しを見せている。
鈴木は3回1死三塁で、東京ヤクルト先発の左腕・高橋から右前へ先制適時打。4回2死三塁でも再び高橋から、今度は左前へ適時打。昨年の日本シリーズで優秀選手賞を獲得した左腕から、右へ左へ2本のタイムリーを放った。
埼玉西武は現レッズの秋山翔吾外野手が2019年限りで退団した後、1番打者を固定できずにいる。うってつけの候補者が台頭し、辻発彦監督は「彼らしく、1番らしく成長している。楽しみです」とうなずいた。
もっとも守備では、辻監督が「ミス」と指摘したプレーもあった。初回2死走者なしで、左翼線を襲った山田のライナーを、グラブに当てながら弾き、二塁打にした。5回2死一、二塁でも、オスナが放った左翼後方への飛球を、背走してグラブの先にいったん収めたものの、落球して2点適時二塁打に。鈴木自身も「守備では自分としては捕れるボールを捕ることができませんでした。投手の方に申し訳ない気持ちです」と反省を口にした。
鈴木には“ライバル”もいる。同い年で2軍調整中の若林楽人外野手はプロ1年目の昨季、5月末までに20盗塁を決めてタイトル争いをリードし、1番スタメンの座も固めつつあった。ところが、試合中のプレーで左膝前十字靭帯損傷の大怪我を負い、突然シーズンを終えてしまった。今季はすでに2軍で実戦を積んでおり、1軍復帰にもそう長い時間はかからない。新リードオフマンとして結果を出している鈴木も、若林の1軍復帰後に直接定位置争いを制した上でなければ、枕を高くして眠れない。
辻監督は、未熟な部分も承知の上で「そこは成長過程だから」と鈴木に期待をかけている。激しいチーム内競争の結果、強力かつ不動の1番打者が誕生するなら、願ったり叶ったりだろう。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)
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