100球をメドにしていたものの、6回までに要した球数は72球…
■福岡ソフトバンク 5ー1 広島(オープン戦・18日・PayPayドーム)
18日にPayPayドームで行われた広島とのオープン戦。福岡ソフトバンクの開幕投手に決まっている千賀滉大投手が先発マウンドに上がり、7回6安打1失点8奪三振と好投した。開幕前最後の登板で順調な仕上がりを見せながらも「参考ですし、気持ちを入れて投げるのは来週から。ただ投げに行っただけなんで」と淡々としたものだった。
初回から3イニング連続で3者凡退に仕留め、3回まで完全投球を見せた千賀。4回に西川の二塁打、小園の右前適時打で1点こそ失ったものの、最速158キロのストレート、武器のフォーク、本格的に球種に加えたシンカー、カーブも多く使い、7回までを1点に抑えた。
開幕まで1週間となり、これがオープン戦の調整登板。ジワジワと気持ちも高まり、それなりの緊張感を持って臨んでいたのかと思いきや、球界を代表する右腕の感覚は真逆だった。緊張感は「全くないです」とあっさり。「ブルペンで投げるみたいな感覚。これが本番になってどうなのかみたいなところ」と、オープン戦はあくまでオープン戦ということだった。
それは試合中も同じ。この日は100球をメドに投げる予定だった。6回を投げ終えたところでの球数は72球。千賀自身は「イニングを投げて、休んでのリズムを掴みたかった。5回のインターバルを挟めたからそれでいいな、と思ったんですけど、球数が全然だったので」と6回での降板を首脳陣に伝えたという。ただ、開幕前にしっかり球数を投げさせたかった藤本博史監督から「アカン」と一蹴。首脳陣からの命によって、7回も続投し、90球を投げた。
とはいえ、最後の調整登板で7回を1失点と好投したことで、開幕に向けての準備はきっちり進んでいるというところ。新型コロナウイルスの濃厚接触疑いで登板を一度飛ばすアクシデントもあったが、藤本監督も「安心ですね。安心して送り出せます。今日くらいのピッチングなら大丈夫でしょう」と胸を撫で下ろす。
「何の参考にもならないけど、メカニックのところでああしよう、こうしよう、良かった、悪かったというのが出てきたので、そこを自分の中でどう捉えるのかがこの1週間かな、という印象です」と語っていた千賀。3月25日、新庄剛志監督率いる北海道日本ハムとの開幕戦。福岡ソフトバンクのエースは万全の準備を整えて、ビッグボス軍団を迎え撃つ。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)
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