米データサイトの予想は投打揃ってMVP級の成績
シーズン前、MLBに挑戦する大谷翔平がどんな成績を残すか、日米でさまざまな議論が巻き起こった。メディアだけでなく、一般の野球ファンも「成功」「失敗」とさまざまな予想をした。しかし、現在の成績は多くの人の予想を上回っているのではないか。
○大谷の今季成績(現地5月19日現在)
打者(24試合)84打数27安打6本塁打17打点、打率.321
投手(6試合)3勝1敗32.2回13四球43奪三振13失点(自責13)、防御率3.58
アメリカの代表的な記録サイト「ベースボール・リファレンス」には、各選手のデータを紹介するページに「162 Game Avg.」という項目がある。これは各選手の通算成績を、MLBで1シーズンに戦う162試合平均に換算したものだ。先発投手の場合、162試合で5人ローテを維持する計算で34試合に先発すると見なされる。打率や防御率などは通常どおりの計算方法だ。
現地5月19日時点での大谷の「162Game Avg.」は、以下のようになっている。
○打撃成績
162試合567打数182安打41本塁打115打点41四球142三振、打率.321
2017年のア・リーグ打撃成績に当てはめると、182安打はスクープ(オリオールズ)と並ぶ6位タイ。41本塁打は、52本の本塁打王ジャッジ(ヤンキース)、43本のデービス(オリオールズ)に次ぎ、ギャロ(レンジャーズ)とともに3位タイにつける。
さらに、115打点はクルーズ(マリナーズ)の119打点に次ぐ2位、打率.321はアルトゥーベ(アストロズ)の.346、ガルシア(ホワイトソックス)の.330に次ぐ3位に相当する。
これはMVP候補になってもおかしくない素晴らしい成績だ。
二刀流では規定打席、規定投球回数には届かず
しかしながら、大谷は二刀流。打者としても投手としてもフル出場はかなわない。現実的には、現地5月19日終了現在におけるエンゼルスの消化試合数「46」でシーズン「162」試合を割って導き出される数値「3.52」を、現時点での成績に掛けた数字がシーズン最終成績の予想値となりそうだ(数字は四捨五入)。
○打撃成績
84試合296打数(317打席)95安打21本塁打60打点21四球74三振 打率.321
○投手成績
21試合11勝4敗114.2回46四球151奪三振46失点(自責46) 防御率3.61
MLBの規定打席は502、規定投球回数は162だから、投打ともに遠く及ばない。二刀流を続ける限り、投打のランキングに大谷の名前が載ることはないのだ。ただし、この成績は「合わせ技」で新人王の有力候補になる可能性はあるだろう。
ちなみに、NPBでの大谷は規定打席に達したことはないが、規定投球回数には2度達し、2015年には防御率1位のタイトルも獲得している。
大谷の二刀流がMLBに定着する一方で、「純粋な打者、あるいは投手としての大谷翔平の活躍を見てみたい」という声が上がるかもしれない。大谷の破天荒な挑戦は、アメリカの野球ファンの心も揺さぶりそうだ。
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