楽天の若手左腕が2回完全もあえて“注文” 石井監督が選手に求める「目的意識」

2022.2.14(月) 11:24 Full-Count
北海道日本ハム戦に4番手として登板した楽天・王彦程※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
北海道日本ハム戦に4番手として登板した楽天・王彦程※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

先発3回無失点の高田孝には「テーマを持って臨んだことが良かった」

 就任2年目の楽天・石井一久監督が、北海道日本ハム・新庄剛志新監督との“ノムさんの弟子”対決を制した。13日にキャンプ地の沖縄・金武町で行われた北海道日本ハムとの練習試合では6対2の快勝。昨年は前半こそ首位を走ったが、後半は失速し3位。1年間指揮を執った経験を生かし、今年こそ王座を奪う構えだ。

 この日、先発のマウンドへ送り出したのは、2年目の先発ローテ候補・高田孝一投手。3回2安打無失点の好投を演じると、石井監督は結果以上に「真っすぐの質が良かった。1、2回はストレート中心で行くというテーマをしっかり持って臨み、これまでブルペンでやってきたことを実戦の中で試せたのではないか」と、その取り組みを称えた。

 実際、1、2回はほとんどがストレート。高田孝本人も「僕の今日のテーマは、しっかりバッターへ向かっていく姿勢を見せることでした。今の時期は真っすぐの強さが一番大事だと思っているので、ストレートでフライやファウルを打たせることができて、まずまずだったと思います」と納得顔だった。

 一方、6回からは4番手として育成選手の左腕・王彦程(ワン・イェンチェン)が登板し、2イニング打者6人をパーフェクトに抑えた。こちらも手放しで褒めるかと思いきや、石井監督の表情は今ひとつ。「小気味のいい投球だったし、成長しているのは間違いないけれど、もうちょっと特長を出してほしい。今日は何が良かったのかと言えば、ストレートと変化球のコンビネーションとコントロールという話になるのだろうが、今の時期に大切なのはそこではない」と注文を付けた。

打者には「なんとなくふわっとバットを振ってはいけない」

「例えば真っすぐで押すとか、自分はこうしたいという意図が見えた方がいい。今日はいろいろなボールを投げて、いろいろな打ち取り方をしていた。今はそれで良くても、次のステップで相手打者が調子を上げてくれば、もうひとつレベルを上げる必要がある」と説明。調整段階のこの時期、遮二無二投げて結果的にヒットを打たれないだけでは足りない。投手が1軍で何らかの役割を任されるには、自分の特長を把握した上で、シーズンへ向けてどんなピッチングスタイルを、いかにして確立して行くかという目的意識が問われるのだ。

 攻撃では1回1死二塁で、4年目の渡辺佳明内野手が相手の先発左腕・河野の初球を鮮やかにとらえ、先制左前適時打。石井監督はここでも「結果はファウルでも凡打でも構わない。ファーストストライクに対して、しっかりコンタクトできるボールを狙ってスイングできたことが良かった」と指摘。「なんとなくふわっとバットを振って、球がちょっと変化して当たってしまった、というのが一番良くない。目的意識を持ったスイングをしてほしい」と説いた。

 言うまでもなく、石井監督は東京ヤクルト現役時代に、2020年2月に亡くなった名将・野村克也氏の薫陶を受けた。ノムさんは常に選手たちに「根拠は何だ?」と問いかけ続けたといわれる。バッテリーの配球にしても、打者の狙い球にしても、選択に至った明確な理由を求め、行き当たりばったりの直感に頼ることを嫌った。逆に結果が悪かったとしても、そこに納得できる根拠があればお咎めなしだった。この日、選手の目的意識にこだわる石井監督の姿勢は野村氏を彷彿とさせた。

 就任1年目の新庄監督も、阪神での現役時代に野村氏の下でそのエキスを吸収した1人。石井監督は話題の敵将を「(北海道日本ハムは)若いチームなので活気づけることが大事。情熱のある方が入ったことで勢いを感じる。僕たちはその勢いに押されないようにやっていかなければならない」と語ったが、監督として“1年の長”があるだけに、シーズンを通して負けるわけにはいかない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

記事提供:Full-Count

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