藤本監督は田中正義と上林誠知の名前を挙げて期待を口にした
昨季8年ぶりに4位に沈んだ福岡ソフトバンクは1日、宮崎市の生目の杜運動公園で春季キャンプをスタートさせた。工藤公康前監督からバトンを受けた藤本博史監督にとっては一軍監督として初めての春季キャンプに。選手の動きに目を光らせた指揮官は、2人の若手の名前を挙げ、特に大きな期待を寄せた。
その1人が2016年のドラフト1位・田中正義投手。ドラフト時には5球団が競合した右腕だが、プロ入り後は苦難の連続だった。右肩の故障に苦しみ、なかなか一軍には定着できず。昨年ようやくキャリア最多の18試合に登板したものの、プロ初勝利はまだ挙げられていない。
大器として期待されながら、5年間、目立った活躍を見せることができないまま突入した6年目。ただ、そのポテンシャルは大黒柱である千賀滉大投手も認めるところ。藤本監督も「状態もいいということですしね。当然、先発というつもりでやってほしい。競争に負けたとしても、それで二軍に行ってください、ということではなく、中継ぎの枠も空いていますから。そこは先発でしっかり競争してもらいたい」と語った。
もう1人、野手で言えば、上林誠知外野手だ。2018年には143試合で打率.270、22本塁打を放ってレギュラーの座を掴み、侍ジャパンのメンバーになったものの、その後は怪我もあって打撃を崩し、昨季は39試合の出場にとどまった。9年目となる26歳も、そのポテンシャルの高さは随一。それだけに藤本監督がかける期待も大きい。
「野手の方では上林がいいですね。タイミングのところを意識してやってきている。秋山(翔吾)くんのところで自主トレして勉強してきた。バッティングでも目立ったのは上林かな、という気がします」と藤本監督。打撃練習でボールを打ち返す姿は一際、目を引いた。
昨秋のキャンプでは藤本監督自ら強化選手に指定していた。オフの自主トレでもしっかり練習に励んできたのは明らかで「だいぶ振り込んできている感じがある。秋でやった土台から変わってきているかというと、スタイルは変わってない。期待していいんじゃないかと思います」と指揮官。外野は柳田、栗原は確定で、空きはもう1枠。競争は激しいものの、守備や走塁にも秀でる上林がその座を射止めれば、大きな戦力になる。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)
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