今がシーズン真っ盛りの国内男子プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」。その熱戦に身を置くB1秋田ノーザンハピネッツの田口成浩(たぐち・しげひろ)選手は、地元秋田をバスケットで盛り上げるかたわら、自身のTwitterでパ・リーグ.comの投稿をリツイートするなど、プロ・アマ問わずすべての野球が好きだという。
プロバスケ選手だが野球ファンである田口選手が、野球について大いに語るインタビューが実現。前編では野球愛丸出しのTwitterから、幼少期の野球経験や田口選手が考える野球の魅力についてお届けする。
◇◇
ーー田口選手のTwitter から、すごく野球がお好きなんだなという印象を受けています。どのような思いで普段更新されているのでしょうか
「プロフィールにも野球のツイート多いですって書いていて、それに沿いながら(投稿している)。野球の魅力をみんなに知ってもらいたいという思いがあります」
ーーBリーグに野球ファン仲間は?
「元チームメートの千葉ジェッツの赤穂雷太は阪神が好きで、ゲームのプロスピ(プロ野球スピリッツ)を一緒にやってて。他にも原修太、ストレングスコーチの多田我樹丸(ともに千葉ジェッツ)ともかなりやってましたね。それで原とかも野球を好きになってくれた感じはあります」
ーーそれは田口さんの影響で野球好きが増えたということでは
「いや! ぼくの影響は…… 。少しはあるかもしれないですね」
ーーただ、やはりBリーグ選手でナンバー1の野球ファンは田口さんですか
「だと思いますけどね、はい(笑)みんなに野球をもっと好きになってもらいたいなというのは強いです。これは元々野球をやっていたからというのが大きいかもしれないです」
ーー学生時代の野球経験は?
「小、中とやっていました。(バスケットを)本格的に始めたのは高校から。小学校でバスケットもちょっとやっていましたけど、野球をメインにしていました。小学生の頃はピッチャーで4番。中学校はサードとかやってましたね。(当時の夢は野球選手?)はい、プロ野球選手になりたいと思っていました」
ーー高校で野球からバスケットボールに専念されたのですね
「野球は中学校でなかなか試合に出ることができず、いろんな挫折をして。それで急に身長が伸びてきた。バスケットをちょっとかじってましたし、バスケットの楽しさというのもわかっていたので、これを機にチャレンジしてみようかということで始めました」
ーーそもそも野球を好きになったきっかけは? 子どものときに野球をプレーし始めたからでしょうか
「やっていたというのはもちろんそうですけど、父親が野球好きで巨人戦は毎日テレビで流れていましたので。野球を嫌いになって(競技を)辞めたわけではないので、好きな気持ちは変わっていないんです」
ーー野球をよく知る田口選手が考える野球の魅力とは
「そもそも時間がないことがまずは魅力的なのかな。バスケットやサッカーは時間(の制限)があって、残り0秒になったら終わる。バスケットは40分で試合を決めないといけません。野球はそうではなくて、27個のアウトを取るまで終わらない。そのなかで何があるかわからない。最後まで諦めなければ…… というのはバスケットも同じですが、野球の何が起こるかわからないシチュエーションは面白いのかなと思います」
ーー確かに制限時間の有無という違いは大きいですよね。Bリーグがシーズンオフの間、野球場へ行って観戦することはありますか
「昨季まで千葉にいたので行ってましたね。ZOZOマリンスタジアムや東京ドームにも行きました」
ーーTwitterに投稿されてましたが、2018年に夏の甲子園で金足農業高校を応援されてますね
「あれは急に決まりました。横浜高校に勝ったと知って、休みだったので近江高校との試合に弾丸で“オレ、行ってくる!”って言って(笑)しかも初めての甲子園だったんです。2ランスクイズのすばらしいシーンを見ることができた。心に残っています」
ーー千葉ジェッツ時代の2019年にはZOZOマリンで始球式をされました
「感慨深かった。夢だったマウンドに立てた。バックスクリーンに“田口成浩”と大きく出て、ぼくの顔もどーんと出ているわけです。その時点でぼくは涙が出そうになりました。バスケの試合以上に緊張して足がめちゃくちゃ震えて。前の日までかなり練習していたんですけど、大暴投をしてしまいました(笑)」
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プロバスケット選手として活躍する今でも、幼い頃から変わらぬ野球愛を持ち続けていることが伝わっただろうか。インタビュー後編は田口選手が語る昨年の日本シリーズの感想や、2022年の注目選手を教えてもらった。故郷・秋田を大切にする田口選手ならではの視点をお楽しみに。
田口成浩選手 プロフィール
田口成浩(たぐち・しげひろ)
#5/1990年3月25日生まれ
184cm・84kg/ポジション:SG(シューティングガード)
秋田県出身。明桜高校から富士大学を経て、2012シーズンに秋田ノーザンハピネッツ入団。2018シーズンから千葉ジェッツに所属し、2020-2021シーズンにはチャンピオンシップ制覇。今季より再び地元の秋田ノーザンハピネッツに復帰し、シューターとして東地区優勝を目指すチームを支える。2021年12月5日にプロ通算5000得点とB1通算300回3ポイントシュート成功を達成。日本プロバスケットボール選手会会長も務めている。野球愛があふれる田口選手のTwitterは@shigeoisa_5。
写真提供:秋田ノーザンハピネッツ
取材:菊地綾子
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