17日の楽天戦では、史上初シーズン2度のサイクル安打に王手
福岡ソフトバンクの柳田悠岐がすごい。いや、すごいのは元から分かっている。今の柳田はすごいを超越している。もはや異次元、手がつけられないほどに打ちまくっている。
17日、楽天生命パークで行われた楽天戦。初回の第1打席で適時二塁打を放つと、3回の2打席目に適時三塁打。5回には単打を放ち、シーズン2度目のサイクル安打に王手をかけた。4月21日の北海道日本ハム戦(札幌D)で史上70人目のサイクル安打を達成。同一シーズン2度のサイクル安打を達成した選手は。長いプロ野球の歴史で皆無。史上初の偉業に、残り本塁打だけと迫った。
しかも、だ。柳田がサイクル安打に王手をかけたのは、達成した北海道日本ハム戦を含めて、これが4度目だった。5月3日の千葉ロッテ戦(中本、一ゴロ、左安、中3)、5月8日の埼玉西武戦(左安、二直、中2、中安、左本)でも、それぞれ残り二塁打、三塁打に迫っていた。わずか1か月足らずで4度、明らかに異次元だ。
この楽天戦では、3打数3安打としたところで、打率はちょうど4割に乗った。4打席目は遊飛に終わってサイクル安打はならず、打率も4割を切ってしまったが、37試合を終えた段階で、一時とはいえ、打率を上げていっての4割到達はすさまじい。
舞台を千葉に移して18日の千葉ロッテ戦でも、柳田は第1打席に涌井から右前安打を放った。この段階で打率は.401に。その後3打席凡退に終わり打率は.393まで下がったものの、22試合連続安打となり、自身最長記録を更新した。
今季38試合を終えた段階で150打数59安打10本塁打33打点、9盗塁をマークしている。打率はリーグ断トツの1位、本塁打、打点は2位につける。盗塁はリーグ6位だ。連続安打中の22試合は93打数43安打で.462という驚愕の打率を記録している。
このペースでシーズンを戦うと、シーズン安打数は222、本塁打は37、打点は124、33盗塁となる。2015年に3割30本30盗塁のトリプルスリーを達成。そこからは40本塁打40盗塁の「40-40」を目標に掲げてきた。
昨季はシーズン終盤まで3冠王の可能性も感じさせたが、今年の充実ぶりは昨季以上のものに見える。このまま打率4割を維持するのは、さすがに難しいだろうが、それでも柳田には期待を抱きたくなる。平成最後の年に平成2人目の3冠王なるか。いやいや、それどころか「40-40」を超越した「トリプル4」なんていう離れ業も……。明らかに現実離れしているのは十分承知。それでも期待したくなるスケールの大きさが、柳田の魅力だ。
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