打者ではランキングに名前なし、MLB公式サイトも想定外の異次元の活躍
エンゼルスの大谷翔平は、5月16日のアストロズ戦でMLBを代表する大投手バーランダーの前に4打席無安打3三振と沈黙した。それを引きずったか、17日のレイズ戦も3打席まで無安打が続いたが、4打席目に救援右腕プルイットから6号ソロ。修正力の高さも大谷の強みの一つだ。
MLBの新人王(ルーキー・オブ・ザ・イヤー)の資格は前年までの実績が、打者は、130打数以内、投手は50イニング以内、かつ25人ロースター(登録選手枠)在籍期間が45日以内となっている。
今年、MLBに移籍した大谷翔平は、当然、新人王の有資格者だが、投打でアメリカン・リーグのランキング上位に名前が出てくる。
◯ア・リーグ新人王有資格者、安打数ランキング
1アンドゥハー(ヤンキース三塁)134打数38安打3本14点1盗 打率.284
2ウェンデル(レイズ二塁)116打数33安打1本11点3盗 打率.284
3カイナー-ファレファ(レンジャーズ二塁)111打数29安打2本11点2盗 打率.261
4大谷翔平(エンゼルス投手)81打数26安打6本17点0盗 打率.321
5トーレス(ヤンキース二塁)71打数23安打3本12点1盗 打率.324
6オースティン(ヤンキース一塁)83打数20安打6本19点1盗 打率.241
6グッドラム(タイガース一塁)76打数20安打4本10点4盗 打率.263
6サンタンダー(オリオールズ外野)101打数20安打1本6点1盗 打率.198
9スタッシ(アストロズ捕手)62打数18安打3本10点0盗 打率.290
10グズマン(レンジャーズ一塁)84打数17安打2本12点1盗 打率.202
10シスコ(オリオールズ捕手)75打数17安打2本11点1盗 打率.227
12ガーバー(ツインズ捕手)63打数16安打2本6点0盗 打率.254
12フィールド(レイズ外野)53打数16安打3本6点1盗 打率.302
14グリエル(ブルージェイズ二塁)68打数14安打2本7点1盗 打率.206
15パルカ(ホワイトソックス外野)51打数13安打3本11点1盗 打率.255
16ファウラー(アスレチックス外野)19打数3安打0本2点1盗 打率.158
17アローヨ(レイズ遊撃)5打数2安打0本0点0盗 打率.400
実はMLB公式サイトのルーキーの打者のSTATSには、大谷の名前はない。投手登録のためだと思われる。大谷の異次元の活躍は、公式サイトにも想定外だったのだ。
大谷は打数は少ないが、安打数4位、本塁打は1位タイ、打点は2位。しかも3割をマークしている。今季は昨年のヤンキース、アーロン・ジャッジのような破天荒な新人がまだいないこともあり、打者だけでも十分有力候補になる。
大谷の奪三振数43は断トツ、米記者は「合わせ技」にどのような評価をするか
◯投手、勝利数ランキング
1ベラスケス(レッドソックス)10登板2先発5勝0敗25回2/3 18三振 防御率2.10
2大谷翔平(エンゼルス)6登板6先発3勝1敗32回2/3 43三振 防御率3.58
2ヤーボロー(レイズ)10登板3先発3勝2敗34回1/3 31三振 防御率3.93
4フルマー(ホワイトソックス)8登板7先発2勝3敗30回1/3 27三振 防御率6.23
5アラウホ(オリオールズ)15登板0先発1勝3敗22回 25三振 防御率6.55
5ジョンソン(レッドソックス)13登板1先発1勝2敗21回 20三振 防御率6.00
5スコグルンド(ロイヤルズ)7登板7先発1勝3敗40回1/3 32三振 防御率5.58
6チリノス(レイズ)6登板5先発0勝1敗26回2/3 24三振 防御率3.71
6ヘルマン(ヤンキース)7登板2先発0勝1敗25回1/3 28三振 防御率4.26
6スミス(ロイヤルズ)12登板0先発0勝0敗19回 21三振 防御率4.26
レッドソックスのベラスケスは2回先発したが、4月20日以降は救援投手として好投を続け、運にも恵まれ、すでに5勝を挙げている。
3勝の大谷は、レイズのヤーボローとともに2位タイ。しかし、奪三振数43は、断トツだ。このペースで大谷が登板すれば、25登板で12勝前後を上げる可能性がある。こうなれば、投手単独でも新人王の有力候補になる。
二刀流をこなしているにも関わらず、投打両方で上位につける大谷。もちろん、投打で今後、強力なライバルが現れることも十分考えられる。その際に「投打合わせ技」の大谷と、投打いずれかの他の選手とをどう比較、評価するか、これまでのほとんど例がないだけに、難しいことになるかもしれない。
新人王は、記者投票によって選ばれる。米のジャーナリストがどんな判断をするかも注目だ。
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