4打数無安打3三振と圧倒も…「二刀流の神童にリスペクトの気持ちを語る」
エンゼルスの大谷翔平投手は16日(日本時間17日)の本拠地アストロズ戦で4打数無安打に終わった。完封で5勝目を挙げたジャスティン・バーランダーの前に3三振。チームも0-2で敗れた。もっとも、今季10試合登板で防御率1.05と圧巻の成績を残すメジャー屈指の右腕は試合後、初めて対戦した大谷に「リスペクト」の気持ちを明かし、その打撃を称賛したという。地元紙「ヒューストン・クロニクル」が報じている。
開幕から圧巻の活躍を続ける大谷にメジャートップクラスの実力を見せつける完封劇だった。初回の第1打席はスライダーで空振り三振、4回の第2打席はチェンジアップを打たせて二ゴロ。さらに、6回の第3打席では外角高めへの真っ直ぐで空を切らせ、9回の第4打席もストレートで空振り三振。甘い球はほとんどなかった。
試合後、大谷が「野球をやってきて、おそらく打席の中で見た1番速い球じゃないかなと思います。それはスイングをしていても、ここまで品のある球というか、スピードもそうですけど、なかなか経験したことがない」と振り返った剛腕のボール。「改めて素晴らしい投手だなと。1試合通してそう感じた。トータルしてすごく完成された投手だなと感じた」「個人的にものすごく勉強になった」などとも話し、その投球に脱帽した。
一方で、9回に大谷から自身通算2500個目の三振を奪ったバーランダーも試合後に大谷を称賛している。「ヒューストン・クロニクル」は「バーランダーは二刀流の神童にリスペクトの気持ちを語り、水曜日の第1打席にフルカウントから投じたスライダーを振り返った」とした上で、剛腕のコメントを紹介している。
「自分が年老いた時、『僕の2500奪三振目は、あいつから奪ったんだよ』と言える」
「あれは対戦相手の誰にでもすることではないね。彼のハンド・アイ・コーディネーションはとんでもない。コンタクトすることに彼は優れているようだし、彼に何球か厳しいボールも投げたけど、それをファウルにしていたね」
手の動作と視覚の連動性を意味する「ハンド・アイ・コーディネーション」。米国の専門家やメディアがイチロー外野手(マリナーズ)を称賛する際にもしばしば使う言葉を用いて、バーランダーは「打者・大谷」の能力の高さを称え、手強い相手であったことを認めたという。
そして、2500個目の三振を奪ったことについては、記事の中で「彼が怪我をしないことを祈っているよ。あの奪三振は、いつか過去を振り返る時、いつか自分が年老いて最期を迎えた時、『僕の2500奪三振目は、あいつから奪ったんだよ』と言えるだろうね」と言及。2011年にMVPとサイ・ヤング賞を同時受賞し、今もなおメジャー屈指の右腕として活躍する35歳のベテランが、二刀流で新たな道を切り拓く23歳に大きな敬意を抱いていることが伝わってくる。
大谷は試合後に「これを自分にどうプラスにしていくかによって次の対戦の結果がだいぶ違ってくると思う。そこ次第かなと。勿論、素晴らしい投手なのでなかなか打ち崩すのは難しいと思うのですが、手強いなというよりは、そこをクリアしていくことによって自分のレベルだったり、チームのレベルが上がっていくのかなと思います。そこをクリアしていく楽しみ、技術を含めて。そこの方が今後の自分にとって大事なのかなと思います」とも語った。次回の対戦も大注目となることは間違いない。
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