レギュラー定着の可能性十分。北海道日本ハムの若手選手たちが練習試合で猛アピール

パ・リーグ インサイト 馬塲呉葉

2017.2.15(水) 00:00

2月15日、北海道日本ハムと韓国のプロ野球チームであるサムスン・ライオンズの練習試合が、名護市営球場で行われた。

アリゾナ州ピオリアキャンプでは、第2クールにおいて韓国・KTウィズとの練習試合が実施されたが、名護キャンプではこれがはじめての対外試合となる。ここでは、その練習試合で活躍した選手たちの様子を、簡単に振り返ってみたい。

この試合で存在感を放っていたのは、なんといっても横尾選手だ。横尾選手は、7番・ファーストで先発出場。2回表、チームが相手に1点の先制を許してしまったが、その裏、6番・岡選手が四球でまずは出塁。2死1塁の場面で相手投手の直球を捉え、左中間スタンドに飛び込む本塁打を放つ。これで2点が追加され、チームはすぐさま逆転に成功した。8回裏にも適時二塁打を放ち、最終的にチームが挙げた5得点中、実に4点に絡む活躍を見せた。

横尾選手は、今季がプロ2年目の23歳。日大三高時代は、昨季のセ・リーグ新人王である阪神の高山選手とともにクリーンアップを張り、2011年夏の甲子園を制覇した。昨季は大卒ルーキーながら開幕一軍に抜擢されたが、1年間通して一軍に帯同することは叶わず、成績は10試合17打数2安打0本塁打0打点、打率.118。埼玉西武の中村選手にあやかって「おにぎりくん」という愛称で呼ばれるほどのポテンシャルから考えれば、やや物足りない数字と言わざるを得なかった。

しかしこの試合の結果からは、右の長距離砲としての将来性が大いに感じられる。今回横尾選手が守っていたファーストには、シーズン中は絶対的な4番打者である中田選手が入ることが多く、他の内野陣も打力と守備力を兼ね備えた選手ばかりだ。昨季までの一軍レギュラー陣を脅かし、ポジション争いを勝ち抜くことは容易ではないが、持ち味である長打力を武器に、今季こそ定位置確保を目指したい。

また、途中出場で横尾選手の前である6番を打った渡邉選手も、2本の安打を記録。盗塁を成功させて得点圏に進み、横尾選手の当たりで本塁に生還するなど、自身の役割を果たして得点に貢献する姿が見られた。渡邉選手は、今季で高卒4年目。まだ若いとはいえ、このまま貪欲に存在感をアピールしていきたいところだ。

投手の中では、屋宜投手と上沢投手が無失点。しかも2投手とも、任された2イニングスをたった6人ずつで終わらせる好調ぶり。特に地元・沖縄県出身の屋宜投手は、6回表に対峙した3人の打者をわずか4球で打ち取るなど、終始テンポのいい投球だった。

6年目のシーズンに入る上沢投手は、怪我の影響で昨季は一軍登板なし、二軍でも結果を残せなかったが、2014年に8勝を挙げた実力が確かなものであることを、今回改めて証明した。

北海道日本ハムとサムスン・ライオンズの練習試合の結果は、5対2で北海道日本ハムが勝利した。上で挙げた選手たち以外にも、ルーキーながら危なげない守備を披露した石井一選手や、今季から本格的に取り組むことになった二塁守備をこなしながら、きっちりと打点を挙げた近藤選手など、多くの選手がそれぞれの新しいシーズンを迎えるため、熾烈なレギュラー争いを繰り広げている。

昨季日本一に輝いた北海道日本ハムは、今季ほかのチームとは違うディフェンディングチャンピオンとしての戦い方が必要になるだろう。今後のキャンプのスケジュールには対外試合が目白押しとなっているが、このままいい流れで開幕戦にも向かっていきたいところだ。

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パ・リーグ インサイト 馬塲呉葉

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