「これからは顔を変えずにチームを変えて……」爆笑代表質問の全容
11月4日、北海道日本ハムファイターズの新庄剛志新監督が、監督就任会見を行った。新庄監督の一問一答は以下の通り。
新庄監督「今日は集まってもらいありがとうございます。1946年、今から75年前、横澤監督第1代目、そこから21人目の栗山監督、その次に22代目の監督として選ばれたことが非常にうれしく、また選手兼監督という形で契約を結んでもらいました。(川村球団社長:いえいえ、監督だけです)すみません、監督だけでした。
監督らしく今日は、ビシッと監督っぽい格好で来ました。これからは顔を変えずにチームを変えていきたいと思います。以上です」
ーー北海道へお帰りなさい!
新庄監督「わー! はい、ただいま! 帰ってきました!」
ーー今こうやって監督就任会見に臨んでいる率直な心境をお聞かせください。
新庄監督「正直自分が一番ビックリしています。僕でよいのかなという思いの反面、僕しかいないなって。日本ハムも変えていきますし、僕がプロ野球を変えていきたいなという気持ちで帰ってきました」
ーー監督のオファーというのはいつ頃あったのでしょうか。初めて聞いたときどう感じましたか
新庄監督「2年前、僕が48歳でトライアウトを受けるという発言をして、それで1年間海外の方でトレーニングをしました。トライアウト前に、北海道日本ハムの球団の方から『新庄さんお元気ですか。トライアウトがんばってください。いつかまた会える日を楽しみにしています』って一通のメールが来たんです。
よしよし、選手に戻れると。そのオファーだなと思いトライアウトを受けました。6日間こなかったら野球はやらないと。5日目経ち、6日目経ち来ない。あらっ? おかしいじゃないかと(笑)。
選手は復帰できなかったんですけど、あの一通のメールというには必ずなにかあると。自分で勝手に信じて1年間、12球団二軍の選手のプレーを一生懸命自分で勝手に勉強して。こういう姿っていうものは必ず誰かが見てくれている。それを信じて、10月12日になんと、僕が描いていたこの監督の話をいただいて、自分がやってきたことは間違いじゃなかったんだという、本当にやってきて良かったなという気持ちでした」
「優勝なんか目指しません」の真意
ーー球団からは、オファーの理由、期待していることなどはどのように伝えられたのでしょうか。
川村球団社長「まずは勝利をファンに届けていただきたいということと、それからファンサービスを通してファンに喜びを届けていただきたいということを申し上げました」
新庄監督「優勝なんか一切目指しません。僕は。高い目標を持ちすぎると選手というものはうまくいかないと僕は思ってるんですよ。一日一日地味な練習を積み重ねて、シーズンを迎えてそれで何気ない試合、何気ない一日を過ごして勝ちました。勝った、勝った、勝った、勝った。それで9月辺りに優勝争いをしていたら、さあ優勝を目指そうと。気合の入り方が違うと思うので、そういうチームにしていきたいなと。優勝なんかは目指しません」
ーー実際に監督の話を受けるかどうかにあたって相談した方はいらっしゃったのでしょうか。
新庄監督「相談はするタイプじゃないので。僕の人生は相談する人なんかいません。相談する人は自分自身なので。即行動に移します。自分で決めます」
ーーではオファーがあってからやりますという答えまで……
新庄監督「1秒。お願いします! やります! もうすぐですよ。当然でしょ。だって1年間それを目指してやってきたんですから」
ー一番の決め手というのはなんだったのでしょうか。
新庄監督「監督になりたい。バリで生活をしていて、日本ハムの調子が上がっていない3年間を見たときに、おれの出番だろうという気持ちで過ごしてました」
ーー新庄さんのなかで監督というのはどういった存在でしょうか。
新庄監督「イメージ的には硬い、真面目な顔して腕組んでるようなイメージなんですけど、これからは僕が監督像というものを変えていきます」
ーーご自身で新たな監督像をつくるとおっしゃいました。今思い描いているものを教えてください。
新庄監督「これから1年目ですしどういうふうになるかはわからないんですけど、やっていくうちに僕がやることに対して、全国のみんなが僕の監督像というものをつくってくれると思うので、それを期待したいですね」
「監督ではなく、“ビッグ・ボス”でお願いします!」
ーーこの会見の前に報道陣に配られた名刺には「ビッグ・ボス新庄」と書かれています。監督という文字は一言もありませんでした。これについてひと言お願いします。
新庄監督「監督ってみなさん呼ばないでください。Big boss(発音良く)。ビッグ・ボスでお願いします。ビッグ・ボスが好きなんですよ。新庄監督とか僕いらないですね。なんか監督っぽいじゃないですか。ビッグ・ボスでお願いします。選手も」
ーービッグ・ボスにした理由とは。
新庄監督「インドネシアのバリ島の方でビッグ・ボスと呼ばれてたんで。それで。僕の人生ってそんなもんなんですよ。もうその時その時で勘ピューターでこういう風にしたいというものに突き進んでるだけなんで。小学校3年生から中学生になったくらいですかね」
ーー2006年の引退から15年。この間の野球との関わりについては。
新庄監督「全く無いです。引退して野球を観ることはほとんど無かったですね。だからある意味、今のプロ野球、若い子が時代が時代が時代が。なんか時代に逃げている感じがするんですよね僕は。だからある意味良い意味でも悪い意味でも16年間向こうにいて時代をわかってないので、新庄剛志らしくどんどんどんどん、時代の怖さなんか関係なく突き進んでいけたら良いなと思っています」
ーーそんな新庄さんが去年のトライアウトの受験を決めたときから野球との距離が急接近したように見えたのですが、ご自身にはどんな変化があったのでしょうか。
新庄監督「もちろん選手にもなりたかったですけど、最終的な目標というのはここだったんですよね。野球が大好きで、やっぱり僕は野球が好きなんだな。まずは話題性というか、本当に真剣に(トライアウトを)受けに行ったんですよ。でも最終的な目標はあのトライアウトでみなさんに注目をしてもらい、ファンを集め、次の年に監督になれたら、そのファンたちが流れてきてくれたら最高だなという気持ちでトライアウトは受けました」
「チームにピッチャー3人、野手4人のタレントをつくり上げていけば、楽しいチームになる」
ーー外から見て感じていた、今の日本のプロ野球の印象というのを教えてください。
新庄監督「そうきたか。印象はあんまり無いですね。コロナという時代でファンの方が球場に足を運べなかったんで、ちょっと暗かったような印象はありますね。でも僕が帰ってきたからにはコロナは無くなり、球場満員になりますよ。そういう運命なんで僕は」
ーービッグ・ボスとしてまず、ファイターズのどういった部分から変えていこう、そして新庄ビッグ・ボスの色を出していこうと考えていますか。
新庄監督「まずは顔を変えていこうかなと思って。(畑佳秀オーナーに向けて)良いですよね(笑)?
やっぱり気持ちの面ですね。このプロ野球という世界に入ってくる選手というのは一緒なんですよレベルは。ほぼほぼ一緒。
ただメンタル的な問題であって、メンタル的に伸ばせないコーチ、監督がいたと思うんですけど、僕はそのメンタル的なものに関してはものすごく引き出す力が自分にあると思うので、そのメンタル的なものを鍛えながら、あとはチームにピッチャー3人、野手4人のタレントをつくり上げていけば、楽しいチームになるし、そのタレントが生まれるっていうことは全国に背番号も顔も名前も覚えてもらえるので、そのときはもう強くなっていると思うので、そういうチームをつくっていきたいと思っている。
今年僕が監督になって全員がドラフトにかかった選手と思ってるんで、レギュラーなんか1人も決まってません。新人、2年目、3年目の選手がキャンプで伸びたときに、全部若い選手で固めるかもしれないし、開幕投手が誰とか全く決めてないし、今年入ったドラフト1位の子が開幕投手投げているかもしれないし、そういった争いをどんどんさせたいとは思います」
ーー(畑オーナーへ)いま横で新庄さんから次々と新しい構想が生まれてきているようですけれども本当に胸が踊ります。どのような野球を展開してくれると思っていますか?
畑佳秀オーナー「私も胸が踊ったり、ドキドキハラハラしておりますけれども。まずはファンのみなさま、多くのみなさまが次も試合を観たい、次も球場に行ってみたいとそう思えるようなファイターズにしていただきたいと思います。
一挙手一投足から目が離せない、ボスだけではなく、魅力ある選手をしっかり育成していただきたいなと願っています。そして世界がまだ見ぬボールパークが2023年にスタートします。それに向けてのステージと来シーズンは期待したいと考えています」
ーー(川村球団社長へ)稲葉篤紀新GMと新庄監督のタッグというのは全国のプロ野球ファンから大きな注目を集めています。2人の体制にどのような期待を感じていらっしゃいますか?
川村球団社長「ほぼ同世代で、ファイターズで一時代を築かれた2人です。センターとライトで阿吽の呼吸、アイコンタクトで鉄壁の外野だったということですので、今度は現場の責任者と編成の責任者としてぜひアイコンタクト、阿吽の呼吸で強いファイターズを復活させていただきたいと期待しております」
ーー再び新庄ボスにおうかがいします。久々の北海道暮らしになります。北海道の印象、そして生活で楽しみにしていることなどあれば教えてください。
新庄監督「僕、故郷いっぱいあるんですけど、そのひとつが北海道であって。住みやすいし、寒いのは好きなほうなんで。おいしいものもたくさんあるし、これから家を探して良い家が見つかってくれたらもう最高ですね」
ーー現在積極的にSNSを使って発信を続けていらっしゃって、ファンも楽しみにしています。今後も続けていかれるんでしょうか。
新庄監督「それは球団の方と話し合いをして、僕至らんことをよく挙げるから、その辺はルールをつくってもらって、本当はね今の時代SNSっていうのはものすごく大事なものだと思うんですよ。できたら試合中にインスタライブとかさせてもらったら最高かなって。その辺は話し合いを詰めていくんで、また報告します」
ーー全国のファイターズファン、プロ野球ファンのみならず、全国民に対してメッセージをお願いします。
新庄監督「暴れまっせほんまに! 楽しみにしておいてください。新しい野球というものをつくっていきますんで乞うご期待。最後に僕とあっちゃん(稲葉篤紀GM)でタッグを組んでいくんですけど、僕たち1年目じゃないですか。その上で吉村前GMという人の力というのはものすごく大事になってくるし、吉村前GMが居てくれないと僕は嫌だし、吉村前GMの推薦で僕はこの場所にいられるんで、これからはわからないことがあったら吉村前GMに聞いて、相談して喧嘩しながら稲葉GMと一緒にタッグを組んでもちろん球団も。あとはファンのみんなも一緒に楽しく厳しくやっていきたいなと思います」
会見の続きは動画で!
【動画】ファイターズ・新庄剛志新監督 就任会見「日本ハムを変えていきますし、プロ野球を変えていきたい」
関連リンク
・【動画】【ビッグボス】ファイターズ・新庄剛志監督『10秒ごとにヤマがくる就任会見』まとめ
・北海道日本ハム、新庄剛志氏の監督就任を正式発表 稲葉篤紀GMと強力タッグで再建へ
・「嫌われて当然と思って…」 北海道日本ハム栗山監督、選手と接した10年間の厳しさと愛情
・北海道日本ハム、稲葉篤紀氏のGM就任を正式発表 前GM吉村浩氏は統括本部長に専任
記事提供: