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2つの夢を叶えた市立和歌山・小園健太&松川虎生 ドラ1コンビは“恋人”から“ライバル”へ【ドラフト】

2021.10.12(火) 16:30 Full-Count
横浜DeNA1位指名の市和歌山の小園健太(左)と千葉ロッテ1位の松川虎生※写真提供:Full-Count(写真:市川いずみ)
横浜DeNA1位指名の市和歌山の小園健太(左)と千葉ロッテ1位の松川虎生※写真提供:Full-Count(写真:市川いずみ)

松川の1位指名に半田真一監督も思わず「千葉ロッテすげぇ~」

 市立和歌山高の会見場がざわついた。1位競合必死と言われた小園健太投手が横浜DeNAに1番に名前を呼ばれると、その数分後に千葉ロッテが松川虎生捕手を1位指名した。半田真一監督も思わず「千葉ロッテすげぇ~」と漏らすほどだった。同じ公立校から2人の1位指名は1984年の箕島・嶋田章弘(阪神)と杉本正志(広島)以来37年ぶり2例目の快挙。中学1年からバッテリーを組んできた2人の集大成は最高の形で実を結んだ。

 貝塚シニアに入団した中学1年からバッテリーを組み、中学3年では全国制覇。「一緒に甲子園に行こうや」という松川の一言で進路に迷っていた小園は同校への進学を決意した。その夢はこの春に叶えた。選抜高校野球大会に出場し、2人で約束した聖地でバッテリーを組んだ。初戦の県岐阜商はサヨナラ勝ち。「中学の時から目標にしていた甲子園でバッテリーを組めて校歌を歌えたことが一番の思い出」と同じ試合を口にした。

『健太』『虎生』と呼び合い、グラウンドを離れても大親友の2人。共に1位指名を受け、会見でも開口一番「ほっとしました」と同じ言葉を選んだ。指揮官は「松川に小園が寄っていきますね。松川が兄で小園が弟みたい」と話す。「虎生と2人でプロ野球選手になりたかったので1位指名を受けたときは嬉しかったです」と“兄”と一緒に2つ目の夢を叶え、“弟”はクシャっと笑って喜んだ。

市和歌山の小園健太(左)と松川虎生※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
市和歌山の小園健太(左)と松川虎生※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

小園「球種は内緒で(笑)」松川「真っすぐをバックスクリーンに!」

 今春、将来について2人に聞いたことがある。その際はそろって「プロでは違う球団で」と話していた。小園は横浜DeNAが、松川は千葉ロッテが交渉権を獲得し別々の球団へ進むことになる。“思い通り”になったはずだが、いざバッテリーが解消と決まると「寂しいです」。2人で過ごした6年間が走馬灯のように蘇ってきたのだろう。少し照れくさそうに、別れを惜しんだ。

 もちろん、次のステージでライバルとして対戦できることに喜びも感じている。プロでの対戦について聞かれると松川は「(健太の)持ち味である真っ直ぐを待って負けないように打ちたいと思います。バックスクリーンに!」。小園は「戦うことになったらしっかりと勝ちたいです。球種は内緒で(笑)」とお互いに譲らない姿勢を示した。

 会見の合間にはこんな微笑ましいシーンも。ハンカチで汗を拭った小園が松川に顔を差し出した。ハンカチの糸くずだろうか。小園の顔についていたものを松川が取り除き、目を合わせて笑いあった。

 二人三脚で歩んできた6年間。2月からは違うユニホームに身を包みそれぞれの場所で新たなスタートを切る。「点を取られないことが1番いいピッチャーと思います」と小園は最優秀防御率のタイトルを、松川は「ホームラン王になりたい」と目標を掲げた。甲子園出場、プロ野球選手になるという2つの夢を一緒に叶えた。2人の帽子のツバには“最高のバッテリー”としたためられている。今度は「日本代表」という3つ目の夢を叶え、再び最高のバッテリーを見せてくれる日が今から楽しみだ。

(市川いずみ / Izumi Ichikawa)

市川いずみ(いちかわ・いずみ) 京都府出身のフリーアナウンサー、関西大学卒。元山口朝日放送アナウンサー時代には高校野球の実況も担当し、最優秀新人賞を受賞。NHKワースポ×MLBの土日キャスター。学生時代はソフトボールで全国大会出場の経歴を持つ。

記事提供:Full-Count

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