報道陣に配られたパンフレットにも「感情を表に出さない」自己分析がびっしり
2021年の「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が11日、都内のホテルで開催され、最速152キロ左腕の筑波大・佐藤隼輔投手は埼玉西武が2位指名で交渉権を獲得した。一見すると爽やかな好青年といった顔立ちの佐藤だが、その素顔はマウンド上でも私生活でもほとんど感情を表に出さない超ポーカーフェイス男だという。
指名の瞬間は表情を崩さず、じっと正面を見据えていた佐藤。会見では「プロ野球選手としてのスタートラインに立てたことをうれしく思います。これからお世話になった方々に恩返しできるよう頑張っていきたいと思います」と喜びを語った。
ぎこちなかったのは指名直後の写真撮影だ。カメラマンからしきりに笑顔を求められるも、なかなか相好を崩さない。チームメートから盛んに野次られ、ようやくひきつった苦笑いを浮かべた。
この日報道陣に配られた、野球部が作成した佐藤の紹介パンフレットには、監督からのメッセージ欄で「表情にはあまり出さないが、闘志をもってピッチングができる」「性格はいつでもどこでも自分を崩さず、落ち着いた言動ができる」など、冷静沈着な評価がズラリ。本人が記した性格欄にも「感情をあまり表に出しませんが、根は負けず嫌い」「冷静さがあり、常に落ち着いた言動をすることができます」との自己分析が見て取れる。
筑波大の川村卓監督は、佐藤の性格について「本当に感情を見せないんですよ(笑)。今年春のリーグ戦の大一番で、ピンチの場面を抑えてほんのちょっと握り拳を作ったくらい。4年間見てきて、それが唯一」と筋金入りのポーカーフェイスであることは認めつつ「けっして緊張しているわけではないんです。本人は至ってマイペースで、下級生で大学日本代表に選ばれたときも上級生のすごい選手に囲まれてまったく臆するところがなかった」といい意味での鉄仮面ぶりを明かす。
会見後グラウンドに移動し、部員全員から祝福を受けてようやく自然な笑みを浮かべた佐藤。冷静沈着なポーカーフェイス男が、プロのマウンドで白い歯を見せる日は来るか。
(佐藤佑輔 / Yusuke Sato)
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