一度見たら忘れられないファインプレー。オリックス・西浦颯大の軌跡を映像で振り返る

2021.10.2(土) 10:00 パ・リーグ インサイト 望月遼太
オリックス・バファローズ 西浦颯大選手(C)パーソル パ・リーグTV
オリックス・バファローズ 西浦颯大選手(C)パーソル パ・リーグTV

国指定の難病により、22歳で現役続行を断念せざるを得なかった西浦選手

 9月24日、オリックスの西浦颯大選手が現役引退を発表した。西浦選手は2020年に国指定の難病である「特発性大腿骨頭壊死症」と診断され、2021年からは育成選手として再契約していた。昨オフに2度の手術を受けて復帰を目指していたものの、本人からの申し入れにより、このたび引退が決まっている。

 病気によって22歳の若さで現役続行を断念せざるを得なかった西浦選手だが、高卒でのプロ入りから3年間で、一軍公式戦128試合に出場。特に守備面では高い身体能力を生かしたガッツあふれるファインプレーをたびたび披露し、野球センスの高さを垣間見せていた。

 今回は、西浦選手がプロ野球の舞台で見せてきた印象的なプレーを、映像とともに振り返る。そして、若くして一軍で勇躍した西浦選手が残した、プロ野球人生の軌跡を追っていきたい。

高卒からの3年間でいち早く台頭し、着実に一軍戦力へと成長しつつあった

 西浦選手が昨季までに残した年度別成績は、次の通りとなっている。

オリックス・バファローズ西浦颯大選手の成績(C)PLM
オリックス・バファローズ西浦颯大選手の成績(C)PLM

 西浦選手は、明徳義塾高校から2017年のドラフト6位でプロ入り。高卒1年目の2018年には早くも一軍デビューを果たし、プロ入り初安打も記録した。続く2019年には77試合に出場し、持ち前の脚力を生かして8盗塁。打撃面では前年に続いて打率.100台と苦しんだものの、5月10日には記念すべきプロ初本塁打もマークしている。

 プロ3年目の2020年は、120試合制ということもあってやや出場試合数は減らしたが、前年を上回る2本塁打を放ち、パワーの向上を示していた。高卒でのプロ入りから3年という短期間で一軍の戦力へと成長しつつあり、今後のさらなる飛躍が期待されていただけに、病気によるあまりにも早い現役引退が惜しまれる。


 ここからは、西浦選手が一軍の舞台で見せた数々の好プレーを、映像とともに紹介していきたい。

2018年10月1日
【5回表】バファローズ・西浦 2打席目でうれしいプロ初ヒット!!

 西浦選手は2018年10月1日の楽天戦で、「8番・ライト」としてプロ初出場。そして、5回の第2打席で積極的に初球を振り抜き、ライト前にヒットを記録した。初スタメン・初出場となった試合で見事に結果を残し、高卒1年目から早くもプロとしての第一歩を踏み出した。

2019年4月6日
強肩‼ バファローズ・西浦のレーザービームで球場が沸く‼

 オリックスの1点リードで迎えた6回表、1死2塁という状況で、打球はセンターを守っていた西浦選手のもとへ。2塁走者は同点を狙って三塁を回ったが、西浦選手はやや右に動きながら捕球し、無駄のない動作からストライク送球で走者を刺殺。少しでも遅れていれば同点という状況で、チームを救う完璧なバックホームを披露してみせた。

2019年4月16日
バファローズ・西浦 2年目・19歳が躍動!! 3安打猛打賞の活躍!!

「2番・センター」として先発出場した西浦選手は、初回に低めの難しい球を拾って安打にすると、続く第2打席では高めの球をレフトに流して2安打目。さらに、第3打席では甘い球を見逃さずに引っ張ってライト前に運び、プロ初の3安打猛打賞を記録。5回までに8得点と爆発した打線を勢いづける役割を担った。

2019年5月4日
その打球を捕るのか⁉ バファローズ・西浦 ヒット性の打球を見事にダイビングキャッチ‼

 センターの守備に就いていた西浦選手は、4回表の先頭打者・周東佑京選手の打球に鋭い出足で反応。前進しながらダイビングし、鮮やかな好捕を見せた。周東選手は言わずと知れた俊足の持ち主であり、打球が抜けていれば三塁打は確実。それだけに、ヒット性の当たりをアウトにした西浦選手のプレーには、より大きな価値があった。

2019年5月10日
バファローズ・西浦 右中間へのプロ初ホームランでガッツポーズ!!

「8番・センター」としてスタメン出場した西浦選手は、6回裏・1点リードの2死3塁という状況で、楽天のベテラン・青山浩二投手のスライダーを見事に捉える。打球は高い放物線を描き、ほっともっとフィールド神戸の右中間スタンドへ。ベンチでチームメイトとハイタッチを行った直後に、両手で嬉しさをかみしめるようにガッツポーズを見せた西浦選手。リードを3点に広げる一発は、西浦選手本人にとっても記念すべき一打となった。

2019年9月26日
バファローズ・西浦がダイビングキャッチで魅せる‼

 1点ビハインドで迎えた3回裏、ライトの西浦選手は打球の落下点に向かって一直線に走っていき、今にも落ちようかという打球をダイビングキャッチで好捕。捕球後に地上で身体が半回転したことが、このプレーの持つスピード感と勢いを物語っていた。

2020年8月16日
21歳・バファローズ・西浦『爆発力を感じる守備』

 フェンス際へ飛んだ打球に対して、ライトを守る西浦選手は俊足を飛ばしてアンツーカーへ。落下点近くに到達するとタイミングを見計らい、完璧なジャンプで打球を好捕。グラブがフェンスに当たりながらもボールを落とすことはなく、最後まで集中力を切らさずに鮮やかなファインプレーを完結させた。

2020年8月18日
バファローズ・西浦 投手を助ける見事なジャンピングキャッチ!!

 1対1の同点で迎えた8回表、大飛球がライトを守っていた西浦選手を襲う。西浦選手はフェンスを恐れることなく、果敢なジャンピングキャッチでボールをつかみ取る。ここでもフェンスに激突しながらボールは離さず、緊迫した試合で長打になりかねない先頭打者の打球をアウトにしてみせた。

2020年9月20日
バファローズ・西浦 年に1度レベルの『ミラクルど根性捕球』

 初回、2死1、2塁という状況で、強烈な打球がセンター後方を襲う。西浦選手は打球から目を切ることなく全速力で背走し、フェンスに激突しながら好捕。抜けていれば初回から2点を失っていたという状況で飛び出した、文字通りのビッグプレーだった。

 実は、最初に西浦選手がボールに触れた段階では、打球はまだグラブに収まってはいなかった。だが、フェンスに激突したタイミングでフェンスとボールの間に腕が入っており、そのままボールを接地させず、身体で球を抑えながら右手で捕球。極限のプレーの最中でも冷静な判断が可能な西浦選手の非凡さが光る、まさにミラクルキャッチと形容できるプレーだ。

今度はバットで魅せる!! バファローズ・西浦の完璧な一発!!

 初回に上述の大ファインプレーを見せたのと同じ試合で、西浦選手は打撃面でも大いに存在感を発揮。5回に埼玉西武の松本航投手の速球を力強くはじき返すと、打球は勢いよくライトスタンド中段に飛び込むソロ本塁打に。守備で2点を防ぎ、打撃で1点を奪うという、まさにチームを救う出色の大活躍を見せた試合となった。

2020年9月25日
【背走キャッチ】バファローズ・西浦 またも『エグい守備』をキメてしまう

 西浦選手はセンター後方への打球に対して、ここでも打球から目を切ることなく背走。最後はグラブをつけた左腕をめいっぱい伸ばし、ボールをつかみ取ってみせた。マウンド上の山岡泰輔投手も笑顔を浮かべて拍手し、西浦選手への感謝を示したプレーは、持ち前の俊足に加えて、守備のセンスと球際の強さがなければ、決して成しえない好捕といえる。

抜群の守備力を武器に、数多くの記憶に残るプレーを見せてくれた俊英

 俊敏な動き、球際の強さ、高い捕球技術、抜群の強肩、送球のコントロール……守備面における西浦選手の長所は、枚挙にいとまのないものだった。今回取り上げた数々のファインプレーを振り返ってみても、西浦選手が若くして一軍で出場機会を得ていた理由がよくわかる。

 打撃面では確実性に課題こそ残していたが、今回取り上げた本塁打はいずれも力強さを感じさせるものであり、今後のさらなる成長も期待できる状況だった。優れた野球センスを持つ俊英の早すぎる引退は惜しまれるところだが、インパクトあるプレーの数々は、西浦選手がファンを惹きつける存在だったことを示してもいるだろう。

 2桁の背番号を背負ってプレーした3年間において、数々の衝撃的なプレーを見せてくれた西浦選手。彼がプロ野球選手として過ごした日々と、映像に、そしてファンの記憶に残した数々のビッグプレーは、今後も決して色あせることはないはずだ。

文・望月遼太

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