「なんで帰ってこないのと言われたけど…」元千葉ロッテ・チェンが台湾に帰国した理由

2021.8.25(水) 07:00 Full-Count 篠崎有理枝
楽天モンキーズにドラフト1位で入団したチェン・グァンユウ※写真提供:Full-Count(写真:球団提供)
楽天モンキーズにドラフト1位で入団したチェン・グァンユウ※写真提供:Full-Count(写真:球団提供)

総額約8300万円で2年半の契約「新しい野球人生を始める決断をしました」

 2020年オフに千葉ロッテを退団し、台湾に帰国した陳冠宇(チェン・グァンユウ)投手が7月に行われた台湾プロ野球(CPBL)のドラフト会議で、楽天モンキーズから1位(全体2位)で指名された。8月9日にはモンキーズの本拠地、桃園国際球場で入団会見が行われ、2年半2100万台湾元(約8300万円)で契約。背番号は「12」に決まった。故郷で新たな一歩を踏み出した左腕の表情は晴れやかだった。

 2011年に横浜(現横浜DeNA)に加入し、2014年オフに戦力外となり千葉ロッテへ移籍。昨年は中継ぎで19試合に登板して1勝0敗2ホールド、防御率3.20の成績を残すも台湾への帰国を決断。新型コロナウイルス感染拡大の影響で台湾にいる家族と会うことができない日々が続いていたが、帰国の理由はそれだけではなかった。

「シャイな性格なので、日本ではあまり友達と会ったりせず、家に1人でいることが多かったです。今、30歳です。日本に10年間いたので、人生の3分の1を日本で過ごしました。コロナの影響がなくても、台湾に帰る選択肢は自分の中にありました。年齢的にも、台湾でいい契約をもらえる時だと思い、新しい野球人生を始める決断をしました」

 台湾の国立体育大学在学中に日本球界に飛び込んだ。一軍では通算7年で計136試合に登板し11勝11敗12ホールド、防御率3.58をマーク。「技術やメンタルなど、プロ野球選手として大切なものは何かを教えて貰った」という。貴重な経験を積んだ日本を離れることは、悩んだ末の決断だった。家族とは長い時間をかけて話し合った。しかし、千葉ロッテのチームメートには一切相談することはなかった。自分の心の中で答えを出してから報告しようと決めていた。

「千葉ロッテでは益田(直也)さんや松永(昂大)さんをはじめ、みんな仲良くしてくれました。昨年のオフに『来年もよろしくね』とメッセージを貰いましたが『よろしくお願いします』と返していました。台湾に帰国するという報道の後に、皆さんに連絡しました。『なんで帰ってこないの?』と言われたけれど『30歳になったので、台湾に戻って野球を続ける』と伝えたら、みんな『頑張れよ』と言ってくれました」

 千葉ロッテでは主に中継ぎとして登板したが、現在は先発に挑戦している。台湾の蒸し暑い気候に苦労しているというが「毎年安定した成績を残していきたい」と力を込めた。そして、叶えたい願いもある。「娘は今幼稚園なのですが、どんどん大きくなっていくんです。ずっとそばにいたいです」。優しいパパの台湾での活躍を期待したい。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

記事提供:Full-Count

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