メットライフドームで響き渡る三振奪取の効果音のなぜ? を担当者に聞く

2021.7.2(金) 09:30 パ・リーグ インサイト 海老原悠
メットライフドームのビジョン映像【撮影:パ・リーグ インサイト】
メットライフドームのビジョン映像【撮影:パ・リーグ インサイト】

「3連続近藤建設!」社名が奪三振を示す異例のムーブメントも

 今季リニューアルしたメットライフドームに足を運んだファンは、ハード面でないもうひとつの新しい取り組みに気づいたことだろう。それは、ライオンズの選手が三振奪取した時に球場に流れるSE(効果音)だ。まずはそちらを聞いていただこう。

 このSE、球場外で聞き覚えのある方もいるかもしれない。いわゆる“ご当地CM”だ。「こん・こん・近藤〜建設♪」のサウンドロゴが印象的で、テレビやラジオで流れており、埼玉県民にとってはおなじみ。かくいう埼玉出身の筆者も、幼少期から刷り込まれていたメロディに球場で再会したことに驚いたものだ。

 今季からお目見えした外野の大型ビジョン・LビジョンにSEとともに映像演出が出現、「近藤建設」のロゴも映し出される。そのことからも、ファンの間では“三振=近藤建設”の印象が浸透しつつあり、Twitterで『近藤建設』と検索すると、「松本航投手、本日9個目の近藤建設」とか、「3連続近藤建設!」「ナイス! 近藤建設!」などの投稿が多く見られ、おもしろいことに社名が三振を示す名詞になっているのだ。

 これにはスポンサーである近藤建設も、企画した球団もさぞかしニンマリだろう……ということで、それぞれの担当の方々に話を聞く。

盛り上がっている場面でのカットインに不安もあったが……

――県内企業として、県内のスポーツ団体に携わることはこれまでもありましたか?

近藤建設株式会社 住まい統括部 宇佐見智大さん:プロ野球、高校野球、Jリーグなどのテレビ・ラジオ中継のCM提供や地域の少年野球大会、マラソン大会などの後援はありますが、オフィシャルスポンサーとして応援させていただくことは初めてです。

――ではメットライフドームへの出稿のご経験も?

宇佐見さん:これが初めてとなります。新しくなったLビジョン、しかも映像と共に音の演出……ドキドキでした。

――従来の場内広告のような視覚的なパブリシティだけでなかった理由はあったのでしょうか。

宇佐見さん:昨年末、西武ライオンズの担当者の方から、新しくなるLビジョンで、ピッチャーが三振奪取時に、ビジョン演出と共にジングルを流すという、(NYヤンキースの本拠地)ヤンキースタジアムと同じような取り組みを検討しているので、あのCMの『こん・こん・こんどう……』のメロディをというお話をいただきました。

お聞きした時は、埼玉県の会社として光栄でありがたいお話、魅力的な企画と感じましたが、三振奪取で盛り上がったところで当社のCMメロディが流れていいのかな? 試合進行の邪魔にならないかな? 僅かな時間で効果はあるのかな? というのが正直な気持ちでした。

検討を重ねる中で、当社が今年60周年を迎えること、誰もが楽しめるボールパークとして生まれ変わったメットライフドームが当社の事業コンセプト「快適生活応援・幸せづくり」に相通じること、埼玉西武ライオンズ初めての取り組みを通じて表現できる効果、視覚だけでなく聴覚でも訴求できることが魅力だと思いました。また、短い時間ですが20年以上CMで流している、地元では耳馴染みのあるメロディーだからおもしろいかもと、社内やお客さまの意見にも押され決めました。

――例のメロディについて詳しく教えていただけますか?

株式会社西武ライオンズ 事業部 尾関亮一さん:もともと近藤建設さまがテレビやラジオのCMで使われていたサウンドロゴを元にアレンジしました。

宇佐見さん:20年以上前に当社のイメージに合わせて作成したもので、自然に口ずさめる親しみの持てる曲調となっており、音源はこれ以外考えませんでしたね。

尾関さん:球場の雰囲気を壊さず、それでいて近藤建設さまのサウンドロゴであることがわかるように注意して制作しました。近藤建設さま側にも監修いただき、現在の形に至っています。

――SEが流れる場面はどのような場面で、例外はあるのでしょうか?

尾関さん:ライオンズの投手が三振を奪ったシーンで流れますが、3アウト目の場合はイニング間のイベントへの流れなどで省略させていただく場合があります。また、リード時の9回表は、勝利へのカウントダウンとして、緊迫感と勝利への期待感が盛り上がるシーンなので、ここでは、球場全体の一体感をつくるために、1アウトごとに「ONE DOWN」「TWO DOWN」という映像とスタジアムDJのアナウンスで盛り上げていますので、奪三振の時でもこの演出を優先しており、近藤建設さまのサウンドロゴは使用しません。

近藤建設さまには、ファンの方の気持ちや球団の想いをご理解いただき、このシーンでは使用しないことも快諾いただきました。ちなみに、音はありませんが、「ONE DOWN」「TWO DOWN」の映像には近藤建設さまの社名も掲載されています。

――初めてスタジアムでSEが流れた時の感想はいかがでしたか?

宇佐見さん:オープン戦で、初めてスタジアムで聞いたときは、映像の迫力と共に、メットライフドーム名物のオルガンに合うようにアレンジされたメロディに感動しました……しかし、この時点でもファンのみなさまに受け入れていただけるか? 試合進行の邪魔にならないかと不安でした。

――その不安とは裏腹に、いい反響が大きかったようですね。Twitterなどで「ナイス近藤建設!」と社名が三振を示す言葉になっていたりと、さっそく話題になっている様子について、どう思いましたか?

宇佐見さん:その日のうちにあちこちからTwitterで近藤建設が話題になっていると連絡を受け、反響の速さと共に、Twitterで三振=近藤建設という言葉が数多くつぶやかれるのは、想定以上のことで、Lビジョンでの映像と音の効果にビックリです。

尾関さん:試合のたびに近藤建設さまの社名がTwitterでつぶやかれるようになるとは,
予想していませんでした。もともとライオンズ戦のラジオ中継などにも、近藤建設さまがラジオCMを出稿されていたこともあって、私たちの想像以上にファンのみなさまの認知度が高かったのだと思っています。

宇佐見さん:球場に行かれたみなさま、テレビ、ラジオで試合観戦しているみなさま、そしてTwitterなどで近藤建設の名前を呟いていただけるという効果はもちろんですが、近藤建設のメロディが流れるのを楽しみにされていたり、お客さまや取引先のみなさま、さまざまな方から「三振メロディ聞いたよ」という声を耳にしたり、社内でも盛り上がっており、これまでのCMとは違う反響に驚いています。まさに効果は期待以上で、今後の展開が楽しみです。


 佐々木健投手、渡邉勇太朗投手などの新星の活躍に期待がかかる今季のライオンズ。彼らの調子の良さに比例するようにSEは球場に響く。「ファンのみなさんにとっておなじみのサウンドになってくれたら」と両社の担当者。その願いは投手陣の肩にかかっている。

文・海老原悠

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