2020年ドラフトで育成3位指名を受け埼玉西武に入団し、明るいキャラクターも魅力の宮本ジョセフ拳。野球を始めたキッカケは、幼少時、実家の前の壁に貼りだされていた部員募集の張り紙を目にしたことだ。そんなジョセフは野球の魅力を“難しいこと”だと話す。一体どういうことか?
「難しいからこそ成功(打てた)した時の喜びが大きいからハマるんです」と目を輝かせながら熱弁する。今、自身の立場は「育成選手」。夢の世界に飛び込んだ一方で、立ちはだかっているのは、乗り越えなくてはならない大きな壁。しかし、それもジョセフが話す“難しいこと”の一つ。目標に向かって連日居残り練習をするなど努力を重ねる背番号123の姿は、見ていて気持ちがいい。
「まずは支配下登録という大きな目標があるので、ひとつひとつの内容と結果を良くしたい」と今シーズンの意気込みを語ったジョセフ。「凡退するにしても、どれだけ粘れたか、投手に嫌な打者だなと思わせることができるか。ヒットでも、何も考えずに打ったヒットではなく、投手の心理や自分の打球イメージをしっかり考えたうえでのヒットにしたい」とヒット1本の内容にもこだわる。
現在31打席に立ち6安打。打率は2割3分1厘の数字だ。出場機会は限られているが、1試合に1本打てるのが理想だという。
筋肉量は充分で身体能力は高いのに打球が飛ばないことが課題だったため、スイング軌道など全てを春季キャンプでクリアにして、打撃の土台作りから始めた。打つ瞬間ではなく、構えた時に力が入ってしまっているため、インパクト時にバットに最大限の力が伝わらないことが原因だった。それからは、スイング動作の確認、全力で振る感覚、下半身を使う練習を繰り返した。道のりは長いが「ちゃんとできた時は打球が違うんです。力を入れなくてもスパン!と飛ぶので気持ちいいです」と自分の成長が形となって見えることも楽しいと笑ってみせた。
走攻守のなかで、強みは守備。肩の強さには自信があるが、早く落下地点に入ることや送球の安定性が課題である。送球の際には球が抜けたり、思ったところに投げられないことが多く、他の選手の打撃練習時には自ら守備に入ったりするなど、数をこなして感覚を掴もうとする日々だ。
「周りが成長していくなかで焦りを感じることもある」と打ち明けたジョセフだが、自身の成長というのは、大きな舞台で結果を出して実感するもの。小さな成功体験を積み重ね、支配下登録を勝ち取ってほしい。
記事提供:株式会社西武ライオンズ
記事提供: