「投手・大谷」もテレビで観戦「ブラジルで見てるのと同じですから」
エンゼルスの大谷翔平投手は6日(日本時間7日)の敵地マリナーズ戦で6回0/3を6安打2失点6奪三振と好投し、3勝目(1敗)を挙げた。カーブを効果的に使い、スライダーも冴え渡ってマリナーズ打線を圧倒。制球が乱れた7回にヒーリーに2ランを浴びたが、危なげない投球だった。チームは8-2で快勝。直前にマリナーズの会長付特別補佐に就任し、初対戦が叶わなかったイチロー外野手は、この投球をどう見たのか。
イチローはベンチに入れないため、ダグアウト裏のテレビで大谷の投球を観戦。「テレビだから、難しい」と繰り返しながらも、試合後には「投手・大谷」について饒舌に語った。
「テレビで見てる印象だから、日本で見てる人と変わらない印象になってしまうね。直接やればね、こんなボールだったとか言えるんだろうけど。みなさんと同じですからね、目線が。なかなか、生きたコメントになりづらいですよね(苦笑)。全部テレビですからね。だって、ブラジルで見てるのと同じですから、言ったら。同じことなんでね。そこにいるんだけどね。難しいですけどねぇ、気の利いたことはなかなか。ただ、まぁ、ちゃんとしたいいピッチャーだというのは分かるし、ちゃんとしたいいバッターというのはこの3日間、それぞれ1日ずつだったけどね。なかなか、欠点が見つけづらいかなぁ」
投打両方で「欠点が見つけづらい」と称賛。さらに、「194センチですか? 194センチのおじいちゃんになることぐらいですかね、欠点は。それしんどいかもしれないけど、だいぶ先のことなんでね。現段階では(欠点が)なさそうですね」と冗談交じりに続け、笑った。
「そりゃ、対戦したいですよ。そりゃそうでしょ。したいよ、そりゃ」
長所については「まぁ、それはまだ難しいでしょ。全部1周して、ある程度時間をかけて分かってくる」と話すにとどめた。本人が何度も繰り返したように、打線に立たなければ、評価は難しい。「対戦したかった?」という問いには「そりゃ、対戦したいですよ。そりゃそうでしょ。したいよ、そりゃ」と率直に胸の内を明かした。
メジャーで18シーズン目のレジェンドは、「こっち(メジャー)に来る日本人選手はある程度、日本でやっている人ばかりでしょ。しょうもない選手はいないですからね。基本的には(全員)見てみたい」とも言う。ただ、大谷が「特別」という思いには変わりはない。
「でも、特別な才能ですからね、あれは。165キロ投げて、そりゃ単純に見てみたい。それはあるね」
世界一のヒット数を刻んできたイチローも、二刀流で新たな道を切り拓く男への興味は尽きない。
大谷は、イチローが「対戦してみたい」と話していたことを伝え聞くと「それはすごくありがたいですし、今回もしかしたらできるかもしれないと思っていたので、僕自身もやる中で勉強になることたくさんあると思います。そこはもう過ぎたことなので、正直何もないですけど、そう言ってもらえたことはありがたいと思います」と話した。21歳差の対決は“持ち越し“となったが、いつか実現する日が来るのだろうか。
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