ハーラートップ5勝の楽天ドラ1早川隆久 データが示す勝てる“長所”とは?

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楽天・早川隆久※写真提供:Full-Count(写真:(C)Rakuten Eagles)
楽天・早川隆久※写真提供:Full-Count(写真:(C)Rakuten Eagles)

16日に行われたオリックス戦で98球で初完封を飾った

 16日に敵地・京セラドームで行われたオリックス戦で、プロ入り初完投を初完封で飾った楽天のドラフト1位ルーキー・早川隆久投手。オリックス打線をわずか3安打に封じ、9回までに要した球数はわずか98球。100球以内で完投する「マダックス」だった。

 4球団競合の末に早大から楽天へと入団した早川は開幕ローテ入りを果たすと、ここまでその前評判に違わぬ好投を続けている。初完封でハーラー単独トップの5勝目をマーク。ここまで8試合に登板して5勝2敗、防御率2.82と安定した成績を残している。

 ここまで安定した投球を見せている早川だが、一体、どこに優れているのだろうか。セイバーメトリクスの指標などを用いてデータ分析を行う株式会社DELTAのデータを用いて、左腕の投球を分析してみたい。

多くの投球指標において球界で上位の指標を残す

 ルーキーの早川だが、ここまでは各球団のエース級とほぼ同等の指標をマークしている。例えば、三振率を表す「K%」25.2%は、規定投球回到達者の中では中日の柳裕也、オリックスの宮城大弥、横浜DeNAの浜口遥大に続く4位。四球率を示す「BB%」4.0%は中日の大野雄大、東京ヤクルトの小川泰弘、オリックスの山本由伸に次ぐこちらも4位だ。

 また、守備から切り離された投球内容を示す「FIP」は2.32。これは柳に次ぐ2位で山本や楽天の涌井秀章らを上回っている。これらの指標以外でも、セ・パ両リーグ通じて、上位の数字を残している早川。総じて投手としての能力が高いことが分かる。

 そんな中で早川がセ・パ両リーグの先発投手の中で、特に秀でた成績を残している指標がある。それが、ストライクゾーンの外のボール球を打者にスイングさせた割合を示す「O-Swing%」である。

先発投手で12球団トップの数字を叩き出す「O-Swing%」

 早川のここまでの「O-Swing%」は規定投球回に到達しているセ・パ両リーグの投手の中でトップの36.2%。2位以下には西勇輝(阪神、36.1%)、則本昂大(楽天、34.8%)、柳(34.6%)、山本(34.1%)となる。これは、早川が打者を翻弄し、ボール球に手を出させることに長けていることを示している。

 ヒートマップでも見ても、ゾーン外の「Swing%」は他の投手よりもエリア全体的に高くなる。ゾーン内のスイング率を示す「Z-Swing%」は13位の65.3%と特別、秀でているわけではない。打者にボールをコンタクトされる割合を示す「Contact%」は8位の76.4%。こちらも優秀だが、やはり際立つのは、ボール球に手を出させる割合の高さだ。

 球種別の失点増減を見てみると、カットボール(wCT)が4.0、カーブ(wCB)が1.8、チェンジアップ(wCH)が1.9と効果を発揮している。これらの球種をボールゾーンに効果的に投げ込んで打者を誘い、打ち取っている様子が窺い知ることができる。

 ここまで高い貢献度を示しているドラフト1位ルーキーの早川。2013年以来、8年ぶりのリーグ優勝を目指す楽天にとって、欠かせぬ重要な戦力となっている。

(Full-Count編集部)

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