「球威がどうしても出ないと、そこに対して1番の悩みがあった」
27日に出場選手登録を抹消された福岡ソフトバンクの高橋礼投手。今季は開幕ローテ入りしたものの、制球に苦しむ試合が多く、ファームで再調整することに決まった。27日の北海道日本ハム戦後に工藤公康監督は「本人と話して、投手コーチとも話をして、ファームでやってもらうことにしました」と明らかにした。
今季の高橋礼は3月27日の千葉ロッテ戦で先発しながら、7回途中9四死球2失点で降板。続く4月3日の埼玉西武戦でも6回8四死球で5失点と制球に苦しんでいた。
同10日の楽天戦こそ5回途中1四死球でとどめたが、同17日の埼玉西武戦で6回4四死球、同24日の千葉ロッテ戦でも4回途中5四死球と再び四死球を連発。ここまで与えた27四死球はリーグワーストとなっていた。
昨季は太もも裏の負傷で先発争いから漏れ、リリーフで1年間プレーしていた高橋礼。今季は再び先発に戻り、開幕ローテの座を掴んだものの、2年前までは140キロを超えていた真っ直ぐが、130キロ台前半にとどまっていた。
この日の試合前にも高橋礼と話し合いを行った工藤監督。「球威がどうしても出ないと、そこに対して1番の悩みがあって、だから、いいところを狙い過ぎてボールになっているという話もしていた」と語り、サブマリン右腕は球威が戻ってこないことに悩みを抱えているとした。
「自分にとって1番の武器は何か、それを失ってしまうと彼にとって自信に繋がっていかないというのがあるかな、と思い、僕は彼の今後を考えた時に、そこで自分と向き合って、トレーニングできるかが大きいのかなと、本人にも話をしました」
「これからの野球人生を考えた時に、とても大切な時期かもしれないから、辛いとか苦しいとかに負けないで、こうすると決めたなら我慢して体を鍛える、ボールを投げる、バッターに向かっていく、それを失わないようにやるんだよと話はしました」
このようにも語っていた指揮官。2019年には侍ジャパンのメンバーとしてプレミア12制覇にも貢献した高橋礼は、悩みを克服すべく、ファームで再スタートを切る。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)
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