鷹・工藤公康監督の恐るべき眼力 なぜ和田毅の6回での“失速”を予期していたのか?

2021.4.22(木) 07:20 Full-Count 福谷佑介
福岡ソフトバンク・工藤公康監督※写真提供:Full-Count(写真:藤浦一都)
福岡ソフトバンク・工藤公康監督※写真提供:Full-Count(写真:藤浦一都)

和田が6回にアクシデントで降板となったものの、リリーフ陣にはその前に準備させていた

■福岡ソフトバンク 4ー1 楽天(21日・PayPayドーム)

 福岡ソフトバンクは21日、本拠地PayPayドームで行われた楽天戦に4-1で快勝し、引き分けを挟んで3連勝とした。先発の和田毅投手が6回途中1失点と好投。アクシデントにより降板となったが、今季2勝目をマークして球団では史上初となる40代での複数勝利を達成した。

 3回にグラシアル、栗原、中村晃と3本の適時打が飛び出し、楽天先発の則本昂から一気に3点を奪った。先発の和田は立ち上がりから楽天打線をほぼ完璧に封じ込めた。3回までは1人の走者も許さぬ完全投球。4回に小郷に左翼線への二塁打を許したものの、5回までわずか1安打に封じる圧巻の好投だった。

 だが、6回に先頭の岡島にソロ、さらに小深田、小郷にも連打を浴びた。ここで左手の親指にアクシデントが発生。指先を気にする素振りを見せてベンチへ下がると、そのまま降板に。和田は1死一、二塁のピンチを残すことになったが、ここは嘉弥真が左の辰己を、泉が浅村を打ち取って、得点を許さなかった。

 和田は5回までわずか63球。うまくいけば7回、8回、そして完投さえも見えるペースできていた。結果、緊急降板となったが、和田のあとを受けマウンドに上がった嘉弥真と泉の2人は急遽、肩を作ったわけではなかったという。工藤公康監督は「アクシデントという形にはなりましたけど、嘉弥真くんと泉くんは作っていました」と明かす。指揮官は5回の和田の投球を見て、6回に左腕が“失速”する可能性をある程度、予感していたのだという。

「投手は一気にエネルギーを使うと、次のイニングで出ない可能性もある。それを考慮していた」

 和田は先発としての責任投球回となる5回を3者凡退に仕留めていた。鈴木大を二直、茂木を三邪飛、そして黒川を遊ゴロに打ち取った。このイニングで和田が出力を上げたことを工藤監督は感じ取っていた。

「5回に結構飛ばしていたのでね。本人の中でこの回(5回)だけはというのがあったみたい。投手コーチと話をして準備はさせていました。明らかにグッと入れていましたので。投手は一気にエネルギーを使うと、次のイニングで出ない可能性もある。それを考慮して作っていました」

 幸か不幸か、それが当たる形になった。和田は先頭の岡島にソロを被弾。1死から小深田、小郷に連打を浴びた。結果、爪の横の部分が捲れるというアクシデントでの降板となったが、ブルペンではリリーフ陣が準備を進めており、急ピッチで投手が準備する事態にはならなかったという。

 現役時代に224勝を挙げた大投手の工藤監督。快投を続けていたベテラン左腕の僅かな“変化”を冷静に感じ取った“眼力”には驚きを抱かざるを得なかった。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

記事提供:Full-Count

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