能見篤史~ポーカーフェイスの端麗なドクターK~(オリックス・バファローズ)【インサイト的選手名鑑】

パ・リーグ インサイト

2021.2.12(金) 19:15

オリックス・バファローズ 能見篤史投手(C)パーソル パ・リーグTV
オリックス・バファローズ 能見篤史投手(C)パーソル パ・リーグTV

能見篤史(のうみ・あつし)/投手

#26/1979年5月28日生まれ
180cm・74kg/左投左打


 鳥取城北高校から大阪ガスを経て2004年ドラフト自由枠で阪神へ。即戦力投手として入団するも一軍とファームを行き来することが多く、初めて2桁勝利を挙げたのはプロ5年目(当時30歳)の遅咲きだ。

 その2009年はプロ入り最多13勝を挙げると、2009年から2011年にかけて巨人戦8連勝と「伝統の一戦」で強さを発揮。2012年には172奪三振で「最多奪三振」を獲得し、名実ともに阪神のエースに上り詰めた。

 アラフォーに突入してなおも衰え知らずの能見投手。2018年、開幕当初は先発で起用されるも白星が遠く、シーズン途中からリリーフに転向するとこれが功を奏す。配置転換後の6月以降の成績は、42試合に登板し4勝1敗16ホールド1セーブ、防御率0.86と活躍。中継ぎに専念した2019年はプロ入り最多となる51試合に登板し、岩瀬仁紀氏以来、史上2人目となる40歳以上での50試合登板を達成した。

 2020年11月11日、甲子園で行われた阪神対横浜DeNA。この試合が能見投手にとって阪神でのラスト登板となった。9回表にマウンドへ上がった能見投手は「美しい」と誉れ高いワインドアップから、ストレートで押す。先頭打者には安打を許すが、続くソト選手は148km/hの球で6-4-3の併殺打。ラストバッターの柴田竜拓選手にはチェンジアップでタイミングを外しながら、最後は高めの148km/hで空振り三振を奪った。最速149km/hで1点リードを守り抜き、球団最年長セーブの記録更新。不惑を過ぎたと思えぬ投げっぷりで甲子園に集いし虎党に別れを告げた。

 2021シーズンはオリックスで選手兼任コーチとして再出発。磨き上げた冷静な投球がパ・リーグでどのように通用するかが楽しみなところ。また、節目の1500奪三振まで、あと4と迫っている。そして指導者としては田嶋大樹投手、齋藤綱記投手といった伸び盛りのサウスポーを含め、若い選手が多いオリックス投手陣に良い刺激を与えてくれそうだ。

【2020年一軍成績】
34試合1勝0敗4H 24.2回 19奪三振、防御率4.74 WHIP1.50


文・菊地綾子

☆能見篤史投手の動画はこちらから!

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