2月1日から6球団一斉に春季キャンプが始まり、いよいよ新シーズン開幕に向けて各チームが大きく動き出した。今年の春季キャンプは緊急事態宣言下という異例の状況でのスタート。セ・リーグを含めた12球団全てが無観客でキャンプインとなり、ファンの声援が直接届かない中で始まった。
そんな中でも各チームが2021シーズンを戦い抜くために必要な戦力を整え、選手たちは開幕一軍の座を目指して熾烈なレギュラー争いを繰り広げる。開幕一軍をつかみ取るには突出した結果を残すことが必要となるが、若手選手になればなるほど少ないチャンスで結果が求められる。一軍に選出されたルーキーたちは、その厳しい世界で揉まれながら持ち味を発揮することができるだろうか。
ルーキーの奮闘を見逃さないよう、今回は春季キャンプで一軍入りを果たした新人たちを球団ごとに紹介する。
北海道日本ハムファイターズ
伊藤大海投手(1位・苫小牧駒澤大学)
五十幡亮汰選手(2位・中央大学)
古川裕大選手(3位・上武大学)
今川優馬選手(6位・JFE東日本)
2020年、パ・リーグで唯一春季キャンプ一軍スタートの新人が居なかった北海道日本ハム。今年は、ドラフトで本指名を受けた大卒・社会人卒の新人全員を抜擢した。最速155km/hを誇る伊藤投手や抜群の脚力を兼ね備える五十幡選手、強肩強打の古川選手、社会人屈指の強打者で伊藤投手とともに北海道出身の今川選手の即戦力が一軍帯同となった。2018年以来のAクラス進出に向けて、得点力向上と有原航平投手の穴を埋める起爆剤となれるか、ルーキーたちに期待がかかりそうだ。
東北楽天ゴールデンイーグルス
早川隆久投手(1位・早稲田大学)
高田孝一投手(2位・法政大学)
藤井聖投手(3位・ENEOS)
内間拓馬投手(4位・亜細亜大学)
ドラフト上位4投手が一軍帯同することになった。2020年のチーム打率はリーグトップだっただけに、投手陣の強化へ新人に寄せる期待は大きい。最速155km/hサウスポー・早川投手をはじめ、高田投手は最速156km/h、藤井投手と内間投手も150km/hを超える直球をもつ。涌井秀章投手や岸孝之投手、メジャーから帰ってきた田中将大投手などハイレベルな先発ローテ争いへ割り込むことができるか注目したい。日本を代表する投手と次世代エース候補の投げ合いも見られそうだ。
埼玉西武ライオンズ
若林楽人選手(4位・駒澤大学)
タイシンガー・ブランドン大河選手(6位・東京農業大学北海道オホーツク)
打撃陣に奮起が求められる埼玉西武は、2人の新人野手を一軍に抜擢した。走攻守三拍子揃った若林選手は長打力が魅力。ブランドン選手は大学時代に『首位打者』を3度獲得した好打者である。2020年は一軍で春季キャンプ入りした宮川哲投手を含む3選手が、レギュラーシーズンでも一軍で活躍しただけに、大きな期待がかかる。昨年苦しんだ打線の火付け役となり、生まれ変わる本拠地に一層の新しい風を吹かすことができるか。
千葉ロッテマリーンズ
鈴木昭汰投手(1位・法政大学)
小川龍成選手(3位・國學院大學)
河村説人投手(4位・星槎道都大学)
1年目から2桁勝利が期待される鈴木投手や堅実かつ軽やかな守備が持ち味の小川選手、190cm超の長身から投げおろす速球が武器の河村投手が一軍メンバーとなった。マリーンズは若手の台頭が目立ち、激しいレギュラー争いが繰り広げられている。ルーキーたちもその中に飛び込んで存分にアピールすることができれば、新シーズンへの期待は大きく膨らむだろう。
オリックス・バファローズ
2020年は大卒の2選手が一軍スタートを果たしたが、2021年は帯同させていない。ドラフト本指名の新人は高卒が4人、大卒1人、社会人卒が1人となっている。即戦力とされている中川颯投手(ドラフト4位・立教大学)や阿部翔太投手(ドラフト6位・日本生命)も一軍でのスタートとはならなかったが、キャンプでの成長に期待。山本由伸投手を筆頭にした強力投手陣の一角に食い込むことができるか、動向に注目したい。
福岡ソフトバンクホークス
ドラフト本指名全員を高卒で占めた福岡ソフトバンク。2020年は大卒・社会人卒の4選手を一軍帯同させていたが、2021年は新人を一軍に帯同させなかった。力のある若手がひしめき合う現状で、時間をかけて育て上げようとするチームの色がドラフトと今春キャンプメンバーから伺える。しかし、2020年に活躍した主力たちがB組に配置されるなど、ルーキーたちも1年目から一軍へ割り込むチャンスがある。育成を含めた13人のルーキーのなかで開幕一軍の座をつかみ取る選手がでてくるか注目だ。
プロの世界へ飛び込むルーキーたち
春季キャンプ一軍帯同する新人全員が大卒、社会人卒の即戦力として期待される選手たちだった。開幕一軍に向けてスタートをきった選手たちには、激しいレギュラー争いと一軍の座をかけたサバイバルが待ち構える。実戦の貴重な出場機会で、積み上げてきた経験や実力を遺憾なく発揮してほしい。
福岡ソフトバンクとオリックスは新人を一軍に帯同させなかった。高卒が大半を占めた福岡ソフトバンクは豊富な戦力のもと、充実の育成システムで原石たちを1から磨き上げる。対してオリックスは近年続く低迷打開のために選手育成に力を入れて、チームの底上げに狙いを定める。オリックスが黄金時代を迎えるのはそう遠くないかもしれない。
キャンプは激しい入れ替えが行われるうえに、シーズンが始まれば1年間を通して活躍が求められる。開幕一軍は誰もが目指すところであるが、ひとつの指標であって全てではない。支配下登録されずにキャンプを二軍で過ごした選手が、着々と成長して一軍の舞台で輝く姿もたくさん見てきた。今年はどんな新人がプロ野球を湧かせてくれるのか、大いなる可能性を秘めたすべてのルーキーの一挙手一投足に目が離せない。
文・岡絃哉
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