見てきた燕・村上の“異常な”練習量… 埼玉西武の「松井稼頭央2世」川野涼多が遊撃にこだわる訳

Full-Count 篠崎有理枝

2020.12.11(金) 10:42

埼玉西武・川野涼多※写真提供:Full-Count(写真提供:埼玉西武ライオンズ)
埼玉西武・川野涼多※写真提供:Full-Count(写真提供:埼玉西武ライオンズ)

ドラフト4位で入団した川野涼多「やっぱり、ショートがいい」

 120試合に短縮された2020年シーズンが終了し、短いオフを迎えた。埼玉西武はリーグ3連覇を逃して3位に終わったが、若手選手は1軍で戦力となるためファームで着実に経験を積んだ。19年ドラフトで入団した選手を紹介する企画。7回目は川野涼多内野手だ。

 兄の勧めで野球をはじめ、中学生の時に「華のあるポジションで目立ちたかった」という理由で遊撃手に。高校は熊本の九州学院に進学。甲子園出場は果たせなかったものの、強豪校で1年夏からレギュラーを掴んだ。2学年上には村上宗隆内野手(現東京ヤクルト)がおり、偉大な先輩の背中を追いかけた。

「こういう人がプロになるんだろうなと思っていました。村上さんはすごい練習をする。バッテイング練習を異常にするんです。プロになるためには、この人以上に練習しないとだめなんだと思いました。1年生の時は、ただがむしゃらにやっていました」

 もともとは右打ちだったが、俊足を生かすため1年冬から両打ちに挑戦。3年時には主将を任されるなど学年が上がるほど取り組むことが増え、思うようにいかないことが多くなった。

「左ばっかり練習していると、右がわからなくなる。日によって状態が変わってしまって、右と左が両方いい時はありませんでした。3年の時はチームもまとめなきゃいけなかった。キャプテンだし、プロ注目選手と言われていたし『打ってくれるだろう』『守ってくれるだろう』という周囲の期待も大きかった。自分もそれに応えたかったし、結果を出さなければいけなかった。色々わからなくなり、上手くいきませんでした」

 そんな中でも、埼玉西武からドラフト4位指名を受け「悪い中でも評価してくれて嬉しかった」と感謝の言葉を口にする。しかし、遊撃には2年連続でゴールデングラブ賞を受賞している名手、源田壮亮内野手がいる。それでも、他のポジションは全く考えていない。

「源田さんは、レギュラーになるためには越えないといけない存在です。源田さんの次は川野だと言われるように頑張りたい。やっぱり、ショートがいいですね。たまに、サードやセカンドのノック受けるのは楽しいけど、なんか嫌です」

埼玉西武・川野涼多※写真提供:Full-Count(写真提供:埼玉西武ライオンズ)
埼玉西武・川野涼多※写真提供:Full-Count(写真提供:埼玉西武ライオンズ)

追い求めるスター選手像…「監督みたいになりたいです」

 遊撃にこだわりを持つのは、花形とされるポジションで完璧な守備を目指したいという高い目標があるからだ。

「バッティングには波がある。3割打てればいいバッターと言われますが、守備は10割を目指せます。だから求めていきたい。守備は数をこなさないと上手くならない。バッティングも守備も、自分で気づいたことはやり続けようと思っています。だから、自分で気づくまで数をこなすことが大事だと思っています」

 今季はファームで58試合に出場し、打率.242の成績を残した。守備練習に加え、苦戦しているという打撃の練習にも精力的に取組み「暇さえあれば寝ている」と疲れ切った表情を見せるが、同じ両打ちの遊撃手として活躍した松井稼頭央2軍監督の存在が支えになっている。

「『こうなんですよ』と話すと『そうなるよな。俺もそうだった』とわかってくれる。自分が悩んでいることを経験されてきた方なので、色々聞いています。丁寧に教えてくれますが、監督は球界で実績を残された方。ルーキーの自分が教えてもらっても、理解できないこともあります。もどかしいですが、それは自分の引き出しにして、できることをやっています」

 目指す打者像は、もちろん松井稼頭央2軍監督だ。そして「スター選手になりたい」と何度も口にした。

「自分は球界を背負う選手になりたい。監督みたいになりたいです。次のスイッチヒッターが現れた時に『松井稼頭央2軍監督が憧れ』とか言われたくない。自分以外の人に松井稼頭央2世になってほしくないです」

 プロの世界でスタートをきったばかりの19歳は、1軍の舞台、さらには球界を代表する選手を目指し、憧れの存在と二人三脚で歩んでいる。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

記事提供:Full-Count

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Full-Count 篠崎有理枝

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