7日のファーム選手権では最速153キロをマークした田中
福岡ソフトバンクの2軍は7日、宮崎市内のひなたサンマリンスタジアムでファーム選手権で楽天と戦い、4-6で敗れた。2年連続のファーム日本一を逃し、2年連続の“親子”日本一はならなかった。
この一戦で2点ビハインドの9回にマウンドに上がったのが2016年ドラフト1位の田中正義投手。右肘痛などの故障離脱から復帰した右腕は1安打こそ許したものの、最速153キロの真っ直ぐを武器に1イニングを無失点に抑えた。
2016年のドラフトで5球団競合の末に創価大から入団した田中。プロ入り後は故障に苦しみ、これまで2018年に10試合に登板したのが最多の登板数だ。4年目となった今季もキャンプ中に右肘痛を訴えて離脱し、その後も状態はなかなか上がらなかった。
今季の実戦初登板は10月7日になってから。ただ、そこからは2軍のウエスタン・リーグなどで登板を重ねて、11月1日の同リーグ最終戦では自己最速タイの156キロもマークした。この日は最速153キロも、150キロを超える力強い真っ直ぐが、右腕には戻ってきた。
敗れたファーム選手権後、田中は「しっかり真っ直ぐを捉えられちゃったんで、あそこをしっかり。コントロールが高かったので、修正します」と語り、村林に浴びた左中間への二塁打を反省。それでも、一時は全く投げられない時期さえあっただけに、再び投げられるようになったことに手応えを感じていた。
感じる復調へのキッカケ「かなり手応えのあるボールも増えている」
苦しい日々の連続だった。キャンプで離脱し、その後もなかなか投げられない日々が続いた。「自分がこうやって強いボールを投げられることの想像がつかないというか…。6月、7月とかはどうしたらいいだろう、というのが続いていました」。先の見えない暗いトンネルの中でも、田中は前を向いて、リハビリに、トレーニングに取り組んできた。
実戦復帰まで漕ぎ着けて迎えた10月下旬の関西への遠征。そこで田中はマウンドで投げる中で「これはいいなと感じることがありました」と復調に向けたキッカケを掴んだという。ファーム最終戦、そしてこの日のファーム選手権でも力強いボールを投げ「かなり手応えのあるボールも増えているので、来年に繋がることは間違いないと思っています」と確かな手応えを得ている。
2017年にプロ1年目を迎え、もう間も無く4年目が終わる。この4年間に対して「情けないのは間違いないですね」と率直な胸の内を明かす。この鬱憤を晴らすのは1軍の舞台しかない。「もどかしさ、情けなさは、1軍で活躍しないと抜けることはないので。それを胸に持ってしっかり鍛えて11月、12月、1月とやっていかないといけないなと思います」と言い切る。
苦しみの4年間を経て肉体も精神も「強くなっているのは間違いない」と言う。そして「それが果たして1軍で通用するのか。そこを目標、軸にしている」というのが今の思いだ。1軍で投げてこそ、1軍で活躍してこそ、田中にとっての目的地。その時を目指して、復活の道を一歩ずつ進んでいく。
(Full-Count編集部)
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