月間19盗塁&9試合連続盗塁 2つの球団最多記録に並んだ
■福岡ソフトバンク 7-2 埼玉西武(25日・PayPayドーム)
福岡ソフトバンクの周東佑京内野手が25日、本拠地での埼玉西武戦で初回に今季45個目の盗塁を決めた。月間19個目で球団最多記録に並んだとともに、同じく球団タイ記録となる9試合連続盗塁もマークした。
福岡ソフトバンクは21日に点灯させた優勝マジック「8」を順調に減らし、ついに「2」に。27日からは2位千葉ロッテとの直接対決で、実質上の“王手”をかけた。チーム同様、周東の走りも勢いを増している。
初回、1番の周東は中前にきれいに弾き返す一打で出塁。2番・中村晃への4球目にスタートを切ると、今季45個目の盗塁に成功した。月間19個目で南海時代に広瀬叔功が記録した球団記録に並ぶとともに、9試合連続盗塁で同じく南海時代に島野育夫が記録した球団記録にも並んだ。
「ここ最近は初回に塁に出ることが少なかったので、今日は何としてもという気持ちはありました」。周東は、マスク越しにしてやったりの表情を見せた。
8回にも中前打で出塁して2球目にスタートしたが、バッテリーに外されて8日以来の盗塁失敗。この日は月間盗塁数の球団新記録の樹立はならなかった。
初回の盗塁は決していいスタートではなかったが、埼玉西武の捕手・岡田雅利が送球できずに楽々と成功。周東は自分のスタートを「めっちゃ遅かったです。ただ下手くそなだけなんで、練習します。(成功は)ラッキーもあります」と話し、8回の盗塁失敗には「あのカウント(1ストライク)から走ったのが良くなかった」と猛省した。
9試合連続盗塁については「何よりも塁に出ていることを自信にしたい」と語る。この9試合のうち、ヒットで出塁したのは7試合。残り2試合は四球を選んで出塁している。連続記録のスタートとなった16日は、併殺崩れで塁に残ってからの盗塁だった。
打撃も右肩上がりで、8月末時点で打率.208だったが、9月末には.249まで上昇。そして3安打を放った25日を終えた時点で.276となった。周東は打撃の好調さを「ホームランを打つバッターではないので、いかにコンタクトできるかということだけを考えていますし、それを継続できていると思います」と自己分析する。
日曜日は5週連続で猛打賞「めっちゃ意識してました。自分でもびっくり」
打撃の好調さが一番発揮されるのが日曜日だ。9月27日の千葉ロッテ戦から5週間連続で日曜日に猛打賞を記録。25日の試合後は「(曜日を)めっちゃ意識してましたよ。(猛打賞は)絶対無理だと思っていたんですけど、自分でもびっくりです」と笑った。
日曜日の“猛打ショー”のうち4試合で適時打や本塁打を放ち、7打点を挙げている。まさに“サンデー佑京”と呼べる活躍だ。
25日の埼玉西武戦がちょうど110試合目。そのうち94試合に出場し、7月中旬からほぼスタメン出場が続いている周東は「しんどいですよ」と本音を漏らす。
「夏場は食欲も全然ないです。無理やり食べようとしても食べられなかったので、食べられないなら食べなくていいや、と。9月、10月で体重が4キロくらい落ちました」と周東。「逆に(体重が)減って身体がキレてきてちょうどいいかなと思います」と自虐ジョークで笑いを誘った。
チームは優勝マジックを「2」とし、リーグ優勝はもう目の前だ。「新聞とかでマジックがいくつとかは目にしますが、意識はしないで自分の持てる力を1試合にぶつけていくだけです。先を見るより目の前の1つのアウトを取ること、目の前の1打席を大事にしたい」と、残り10試合も1試合1試合全力を尽くしていく。そうすることで目標とする50盗塁や、初めての盗塁王のタイトルもきっと近づいてくるはずだ。
(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)
記事提供: