好調・埼玉西武に試練。ウルフの負傷離脱で生じた穴を埋める、新たな「救世主」候補の顔ぶれは?

パ・リーグ インサイト 望月遼太

2018.4.20(金) 15:50

埼玉西武のブライアン・ウルフ投手が、先発登板した15日の楽天戦で右肘に違和感を覚え、翌16日に出場選手登録を抹消された。それまでの2試合でいずれもクオリティスタートを達成していたベテラン右腕の離脱は、開幕から好調を維持して首位を走っているチームにとって大きな痛手となりそうだ。

ウルフ投手を除いた埼玉西武の先発ローテーションは菊池雄星投手、多和田真三郎投手、十亀剣投手、ファビオ・カスティーヨ投手となっており、そこに開幕直前にトレード加入した榎田大樹投手が加わろうとしているところ。現状では先発投手の枚数は不足気味であり、このタイミングで台頭を見せる投手が出てきてくれればチームにとっても大きいはずだ。

そんな中で期待される存在の一人が、そのウルフ投手の代役として22日の千葉ロッテ戦での先発登板が予定されている高木勇人投手だ。巨人からの移籍初年度となる今季はここまで中継ぎとして5試合に登板して防御率8.53と苦しんでいるが、先述の楽天戦では3番手として登板して4イニングスを投げた。最初のイニングに2ランを含むヒット3本を浴びたものの、2イニングス目以降は一人の走者も許さない投球を披露している。

この結果からも、現在の高木勇投手は長いイニングを投げてこそ本領が発揮されると見ることができるかもしれない。これまではチーム事情からブルペンに回っていたが、オープン戦では2試合に先発して防御率1.50とスターターとして結果を残していた高木勇投手。今回の配置転換によってその能力をフルに発揮し、人的保障での獲得を決めた首脳陣の期待に応えることができるか。注目されるポイントのひとつだ。

高木勇人投手以外では…

また、今シーズン中継ぎとして7試合に登板して4ホールドを記録している武隈祥太投手も、先発陣の穴を埋める候補の一人となるかもしれない。エースの菊池投手以外は手薄だった先発左腕を補強すべく、トレードで榎田投手を獲得した埼玉西武だが、同様の理由で開幕前には武隈投手に先発としての調整も行わせていた。

あくまでも「有事への備え」という位置づけだったが、2月には実際に韓国・斗山との練習試合に先発登板し、4回無失点の好投を披露している。仮に今後、先発投手陣が「有事」と呼べるほどの苦境に陥った場合には、抜群の汎用性を誇る鉄腕が働きの場をさらに広げていく可能性もあるはずだ。

また、二軍で出色の投球を見せている本田圭佑投手にも注目だ。ここまでイースタンでは3試合に登板して20イニングスを投げ、防御率1.35という素晴らしい数字を残している。4月3日の楽天戦では8回2失点、4月13日の巨人戦では8回無失点と好投を続けており、このピッチングを続けていけば一軍から声がかかる日もそう遠くはないはずだ。

「本田圭佑」という名前ゆえに、ドラフトで指名を受けた当時から同姓同名のサッカー選手と絡めて話題にされることが多かった本田投手。過去2年間で7試合の登板にとどまっている24歳の若き右腕が奇しくもワールドカップイヤーとなる2018年に大きな飛躍を遂げ、「プロ野球選手の本田圭佑」という存在を日本中のファンに広く知らしめることになるかもしれない。

さらに昨年のドラフト1位左腕の齊藤大将投手、登録名を本名に戻して飛躍を期す相内誠投手といった潜在能力の高い選手たちも二軍で一定の成績を残しており、いずれは彼らがメットライフドームで躍動する姿も見られるはずだ。

先発ローテーションが手薄になっている現状は、言い換えれば他の選手たちにとってはチャンスでもある。ウルフ投手も2016年途中に先発不足に悩まされていた埼玉西武に入団後、4試合の登板で4連勝をマークし、救世主的な存在となって復活の足掛かりをつかんだ経験の持ち主だ。そのウルフ投手が不在の間に新たな救世主が生まれるかどうかは、シーズン全体を占ううえでも重要なポイントの一つとなる。

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パ・リーグ インサイト 望月遼太

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