制球が定まらずに2回3失点、先頭打者被弾には「ベッツのような選手と対戦したことはなかった」
17日(日本時間18日)の本拠地レッドソックス戦でメジャー3試合目の先発登板に臨み、初黒星を喫した大谷翔平投手。右手のマメの影響もあり、2回4安打2四球3失点1奪三振に終わった。エンゼルスは1-10で敗れ、連勝は「7」でストップ。開幕からメジャーに旋風を巻き起こしてきた二刀流の乱調を受け、米メディアは「3つの課題」を突きつけている。
大谷は初回、先頭打者のベッツに粘られ、フルカウントから7球目の真ん中低めの直球をレフトスタンドに運ばれた。2年連続20本塁打以上&100打点以上をマークしているメジャー屈指の5ツールプレーヤーに痛烈な先制パンチを浴びた。
2回も制球が定まらず、1死一、二塁でホルトに左前適時打を浴びて2失点目。ベッツへの四球で1死満塁とし、ベニンテンディの犠飛で3点目を失った。2回で66球を投じ、ストライクは34球。ストライク率51%と制球に苦しみ、マメの影響で自身メジャー最短降板となった。
米スポーツメディア「スポーティングニュース」は「途中降板となったレッドソックス戦でのショウヘイ・オオタニの先発登板から学んだ3つのこと」とのタイトルで特集を掲載。この日の登板の問題点を挙げている。
記事ではまず「オオタニは出だしからつまずいた」と指摘。過去2戦はいずれもアスレチックスを相手に2勝無敗、13イニングで18奪三振、防御率2.08という圧巻の成績を残してきた大谷だが、この日の相手はメジャー最高勝率のレッドソックス。強打者が並び、いきなり先頭でベッツが登場するという投手にとっては厳しい打線だ。
「レッドソックスの外野手ムーキー・ベッツは球界で最もダイナミックな選手の一人というだけでなく、彼は三振を奪うことが最も難しい選手の一人なのだ。オオタニが彼から2ストライクを奪ったとき、このオールスター選手は(本塁打を放った)彼の好きな球が来るまで何球か粘ったのだった」
2人の対戦をこのように振り返った上で「オオタニは今シーズンのこれまでの2度の登板で問題に直面してこなかったけれども、ベッツのような選手と対戦したことはなかったのである」と指摘。結果的に、ベッツは低めへの決して簡単ではないボールをすくい上げて先頭打者弾をマークしたが、特集では「この25歳の選手は、この新人にそれをなんとか思い知らせたかったのだ」と続けている。
OP戦と「瓜二つ」の投球? 「今となっては無視できるものではない」
2つ目は「スプリングトレーニングでの課題がぶり返す」。この日の投球は適応段階だったオープン戦を思い起こさせるものでもあったというのだ。スプリングトレーニングではマイナーとの練習試合などに登板することが多かった大谷だが、メジャーの打者と対戦した2試合では防御率27.00という成績だった。制球に苦しむ場面も目立った。
スプリングトレーニングでは懐疑的な見方も出ていたが、大谷は開幕後の圧倒的な投球でそれを封じた。ただ、特集では「火曜日のパフォーマンスは、ロッキーズとブルワーズと対戦した2度のスプリングトレーニングでの登板の時の姿と瓜二つだったのだ」と指摘。「彼のスライダーは変化しておらず、スプリットも本調子ではなかった。そして、直球は横の動きはあったが、縦の動きがほとんどなかったのである」として、「(オープン戦の内容は)今となっては無視できるものではないのである」と訴えている。
そして、3つ目で「8日間のオフ」も影響したと指摘。大谷が日本時代から中6日での登板を続けてきたことを紹介しつつ、15日(同16日)の敵地ロイヤルズ戦が中止となったことでスライドし、今回の登板が中8日になった点に着目。「2日間も余分に待たされた」としながら「これが彼の投球にはっきりと影響を及ぼした恐れがあったのだ。なぜなら、彼の調整方法は崩されてしまったのだから」と分析している。
さらに、「南カリフォルニアへの移動も要因となった可能性があるのである」とも言及。移動距離が長く、スケジュールも日本より厳しいメジャーだけに、体への負担は間違いなく大きい。今回の登板に響いたのかは定かではないが、シーズンが進むほど、二刀流の大谷にはこのハードな日程を乗り越えるタフさが求められることになる。
特集では3つの課題を挙げているが、今回の投球にマメの影響が大きかったことは確かだろう。次回登板は万全のコンディションで臨み、再び圧巻の投球を見せてもらいたところだ。
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